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「エルフ」(えるふ)とは、ファンタジー創作に登場する種族のひとつ。
以下のような特徴を持つことが多い。
・500年~1000年程度の超長命
・耳が長く伸びており、その先は尖っている
・ほっそりとした細身の体で、髪などの色素は薄め、男女ともに美形
・豊かな森の中に自然とともに暮らしている
・魔法、もしくは弓矢が得意(両方が得意な場合もある)
・その反面力仕事は不得意
エルフの名前を冠した空想上の生き物の歴史は古く、北欧神話に最古の記述が確認できる。自然の力を象徴する神秘的な存在として描かれるが、各地域、時代ごとに語られる能力はまちまちで、コレとはっきり言える姿はない。話が伝わっていくうちに、ドイツやイギリスでは妖精を指す言葉と入り混じっていったようだ。
妖精や精霊ではなく、種族のひとつとして語られるようになったのは、J.R.R.トールキンの『指輪物語』から。指輪物語の中でエルフは、人間よりはるかに長い寿命に加え、強靭な肉体と高い身体能力、さらに深い知識と魔法の力まで持ち合わせる、まさに人間の上位互換として描かれている。
そこに、魔法は得意だが非力という特徴を加えたのが『ダンジョンズ&ドラゴン』などのファンタジー世界を舞台にしたTRPGである。
TRPGとは、キャラになりきってゲームマスターの提示した課題をこなしていくテーブルゲームの総称。このゲーム醍醐味のひとつが、オリジナルキャラを使ったロールプレイである。種族や職業ごとに限られたパラメーターを割り振り、お互いに短所を補いあいながら問題を解決していくのだ。ここに、指輪物語に登場するよう完璧な種族が登場してしまっては、エルフだけが強すぎてゲームが成立しなくなってしまう。そのため、魔法や寿命以外の特徴が弱体化されてしまったようだ。
TRPGエルフのイメージを日本全国に印象付けたのが、1988年刊行のファンタジーライトノベル『ロードス島戦記』。これは、ダンジョンズ&ドラゴンズをベースにしたTRPGのリプレイ小説(TRPGのロールプレイの様子を小説の形式に書き直したもの)である。元は雑誌『コンプティーク』に連載されていたものが人気を集め、小説として刊行されることになった。この作中に登場するエルフのヒロイン、ディートリッドの姿が広く共有され「金髪碧眼、スレンダー、長い耳、長命、魔法が得意」というエルフのテンプレートができあがっていった。
それまで「ちょっと耳が尖ってる」程度だったエルフの耳を、とくに長く描くようになったのは、雑誌掲載時の挿絵デザインから。1982年公開の映画『ダーククリスタル』に登場するヒロイン「キーラ」がモチーフになったと言われている。その後、1987年発売のファミコンソフト『デジタル・デビル物語 女神転生』に登場するエルフや、1988年に発売の『ドラゴンクエストⅢ』に登場するエルフの女王も耳が長くなっている。
▼『葬送のフリーレン』の中のエルフ
1000年以上を生きる長命の種族。長い時間をかけて研鑽を積むことができ、人間よりはるかに多くの知識を持つことが多い。長寿な反面他者とのかかわりが薄くなることが多く、種としては緩慢な滅びを迎えている。
▼『ダンジョン飯』の中のエルフ
400年程度の寿命を持つ長命の種族。魔術が得意で、ほっそりとした美形が多い。高度な魔術文明を有し、選民意識が強い。他種族、特に寿命50年程度の種族を短命種と見下し、危険な古代魔術を使用する者を取り締まる活動をしている。
人間との間にできた子は「ハーフエルフ」と呼ばれ、1000年の長寿を生きることができる。
▼『ロードス島戦記』の中のエルフ
長い寿命を持つ種族。争いを好まない温厚な種族で、自然と共存して生きている。長寿であるがゆえに全体的に内向きで、種としては緩慢な滅びを迎えようとしている。
▼使用例
「葬送のフリーレン見てたら、何年経ってもフリーレンだけ年取らないんだけど、なんなの」
「あー彼女は人間じゃなくてエルフって種族だから」
「見た目、あんまり変わらないのにソコ違うんだ……」
「他にも種族はいっぱいいるから、深掘りして読むと面白いよ。魔族とか」
「ほほう……」
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