zash
子供の頃から培ってきた映画、海外ドラマ、特撮、アニメの知識を活かして活動中。各媒体でコラム、取材レポート、インタビュー記事を執筆する他、雑誌やマスコミ用リリースへの寄稿も行っている。
2013年にアニメ版の放送が開始され、ついに完結の時を迎えた『進撃の巨人』。日本国内ではその圧巻のラストにさまざまな意見が飛び交い、放送終了後も強烈な余韻を残しています。
そんなテレビアニメ『進撃の巨人』完結に対しては、海外のファンからも熱い反応が数多く寄せられており、まさに、“紅蓮の弓矢”となって日本に降り注いでいます。本稿では、そんな『進撃の巨人』に心臓を捧げた熱狂的な海外勢の反応を紹介します。
※記事の性質上、内容の一部に触れています。
INDEX
諌山創 原作による『進撃の巨人』は、2009年より「別冊 少年マガジン」にて連載がスタート。2021年の完結に至るまで、多くの読者を楽しませました。
原作漫画は全世界18言語、180か国以上で出版されており、2023年9月時点の全世界累計発行部数が1億2000万部を突破している、空前絶後の大ヒット作品です。
そんな本作は2013年にアニメ化され、こちらも海外で高い人気を獲得しました。特にアメリカにおける人気は世界各国の中でもとりわけ凄まじいことでも知られています。
人種問題を孕んだ内容、考察の余地を残したストーリー、そして『バイオハザード』や『ウォーキング・デッド』のような人類が生き残りをかけて、未知の敵と争うサバイバルもしくはパニック・ホラー的要素に充実している点が受け入れられた要因だと言われています。
アニメ界の様々な権威ある賞を受賞してきている実績からもわかる通り、まさに『進撃の巨人』は、日本のアニメ作品の中でも、頭一つ抜きん出た存在と言えるのです。
では、今回の『進撃の巨人』完結に対して、海外の視聴者はどのような反応を示しているのでしょうか。
映画やアニメのレビューを多数掲載している大手「IGN」のレビューは「モダン・クラシックに相応しい結末を迎えた」という文言から幕を開けます。
「ほぼ3年にわたり続いたファイナル・シーズンは、本作がいかにして人気作品へと登りつめたのか、その理由が見事に集約された壮大なフィナーレ。
激しいアクション、残忍な死、そしてM・ナイト・シャマラン(※)を思わせる大どんでん返しが繰り返される約100エピソードをまとめ上げるのは簡単ではなかったはずだが、世代を代表するアニメであると呼ぶに相応しい結末を迎えたと言えるだろう」と、レビュー冒頭から大絶賛の嵐!
※映画監督・脚本家・プロデューサー。代表作に『シックス・センス』『サイン』などがある。
さながら『劇場版 進撃の巨人』だ、と伝え「壮大なスケールで描かれるアクション以外にも、『シンドラーのリスト』に敬意を表したと思われる赤ん坊をフィーチャーした場面など、視覚的に想像力豊かなシーンが登場する」と1993年公開のスティーヴン・スピルバーグ監督による歴史映画『シンドラーのリスト』を引き合いに出しています。
同作はホロコーストを生々しく描いた作品として有名ですが、『進撃の巨人』もまた人種間における様々な問題や迫害などを物語の根底で描いてきているため、テーマとしては似通っている部分があるのかもしれません。
同レビューは梶裕貴さんら声優陣の演技や圧巻の映像、Linked Horizonの音楽にも触れ、最後はエレンのキャラクター性に対しても言及。
「(一部の人にとっては)英雄であり、(ほとんどの人にとっては)悪魔であり、自由の戦士であり、奴隷である」と綴り、暴力や殺人を正当化することなくエレンの考えを否定していると指摘しています。
そして「どれほど暗く絶望していても、私たちは希望や笑顔になる理由を見つけることができる。私たちは生き続ける限り、前進し続けなければならないということだ」とし、アニメ史上最もメタルなエンディングの一つである、と締めくくられています。
海外のリアクターはどんな反応を見せているのでしょうか?
YouTubeにリアクション動画を投稿しているマイケル・アンジェロさんは「こんなんでどうやってエレンを止めるんだ……数が多すぎる」と冒頭から絶望したご様子。
前述のレビューでもあったように、約1時間にわたり続く戦闘シーンには「めっちゃ見入っちゃう! MAPPAがここにきて本気を出してきたな」と、あまりにもハイクオリティな作画に大興奮。
さらに、エレンとミカサが共に生活している様子を目の当たりにすると「これで梶裕貴の声を聴けるな」と嬉しそうな表情を見せていたのも印象的でした。
冒頭では「エレンを殺すのが結末だってのか!?」と怒りをあらわにしていたアンジェロさんですが、物語が進むにつれて「エレンには死んでほしくない……でもそれ以外に道はない」と、みるみるうちに悲しそうな表情になっていきます。
最終的にミカサがキスをする場面では「素晴らしいよ」と感極まり拍手。「俺も心の中ではエレンとミカサが戦いから免れた理想の世界があってほしいけど仕方ないんだ」とポロリ。続けて「戦いは終わったけど、俺たちはジャンやコニー、ガビたちを失っ……ああ!!!」と絶叫。
感情がジェットコースターのように揺さぶられるアンジェロさんの姿がとても面白かったのですが、原作を知らない視聴者にとっては、まさにこの通りの感情の変化だったことは確か。まさにアンジェロさんは全世界の視聴者の気持ちを体現してくれているわけです。
最後はエンディングクレジットの映像に翻弄されながらも「終わったなんて信じられない。The Endだ。スゴかったな……とんでもない作品だった」と一言。視聴後もしばらく余韻を楽しんでいるようにも見えました。
日本でも衝撃的なラストに向けて、様々な考察や意見が飛び交っている『進撃の巨人』。同様に海外でも似たような光景が広がっており、熱心なファンたちは自分なりの解釈で、壮大な物語にピリオドを打っているようでした。
みなさん感情を揺さぶられているようで、こういった感情の起伏を世界中で共有できるというのは、なんとも素晴らしいことだなと思いました。二千年、もしくは、二万年後のアニメファンにも語り継がれる作品であってほしいですね。
(執筆:zash)
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■放送情報
TVアニメ「進撃の巨人 The Final Season」第76話「断罪」NHK総合にて2022年1月9日(日)24時5分放送開始!
■イントロダクション
「その巨人はいついかなる時代においても、自由を求めて進み続けた。
自由のために戦った。名は――進撃の巨人」
ついに明かされた壁の外の真実と、巨人の正体。
ここに至るまで、人類はあまりにも大きすぎる犠牲を払っていた。
それでもなお、彼らは進み続けなければならない。
壁の外にある海を、自由の象徴を、まだその目で見ていないのだから。
――やがて時は流れ、一度目の「超大型巨人」襲来から6年。
調査兵団はウォール・マリア外への壁外調査を敢行する。
「壁の向こうには海があって、海の向こうには自由がある。ずっとそう信じてた……」
壁の中の人類が、初めて辿り着いた海。
果てしなく広がる水平線の先にあるのは自由か、それとも……?
エレン・イェーガーの物語は、新たな局面を迎える。
■スタッフ
原作:諫山 創(別冊少年マガジン/講談社)
監督:林祐一郎
シリーズ構成:瀬古浩司
キャラクターデザイン:岸 友洋
総作画監督:新沼大祐 / 秋田学
演出チーフ:宍戸淳
エフェクト作画監督:酒井智史、古俣太一
色彩設計:大西慈
美術監督:小倉一男
画面設計:淡輪雄介
3DCG監督:奥納基 / 池田昴
撮影監督:浅川茂輝
編集:吉武将人
音響監督:三間雅文
音楽:KOHTA YAMAMOTO / 澤野弘之
音響効果:山谷尚人(サウンドボックス)
音響制作:テクノサウンド
制作:MAPPA
■キャスト
エレン・イェーガー:梶 裕貴
ミカサ・アッカーマン:石川由依
アルミン・アルレルト:井上麻里奈
コニー・スプリンガー:下野 紘
ヒストリア・レイス:三上枝織
ジャン・キルシュタイン:谷山紀章
ライナー・ブラウン:細谷佳正
ハンジ・ゾエ:朴 璐美
リヴァイ・アッカーマン:神谷浩史
ジーク・イェーガー:子安武人
ファルコ・グライス:花江夏樹
ガビ・ブラウン:佐倉綾音
ピーク・フィンガー:沼倉愛美
ポルコ・ガリアード:増田俊樹
コルト・グライス:松風雅也
■■More Information■■
The Final Season公式サイト:https://shingeki.tv/final/
公式Twitter:@anime_shingeki
©諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会
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