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本作の主人公は、ラムちゃんが想いを寄せる男子高校生・諸星あたる。
女の子(ラムちゃん以外)にデレデレしたり、口が悪くてトラブルメーカーだったり……と、1981年放送のアニメ版ではコミカルな面がピックアップされがちでしたが、原作コミックにおける諸星あたるは少し大人でよりクールなツンデレ男子。
※本記事は性質上、ストーリーに触れています。
INDEX
ラムちゃんとの出会い時に発生した勘違いが原因とはいえ、その後は徹底して塩対応を貫かれているのに、なぜラムちゃんはあたるにベタ惚れなのでしょうか?
それは、あたるがラムちゃんにだけに伝える素直な言葉に答えがあります。
あたるがここぞというときにラムちゃんへ掛ける言葉は優しくて切なくて、素直な愛に溢れているのです。
ここまで徹底して塩対応を貫いてきたあたるですが、自分のためにわざわざ変装したラムちゃんを見て心を動かされ、ラムちゃんに対する気持ちの変化のきっかけとなります。
アッサリと飛んでいってしまうラムちゃんの姿に対し、初めて少しの寂しさを覚えたあたる。口をついて出た言葉は「待て」でも「一緒に帰ろう」でもなく、「もうちょっといっしょに歩こうよ」。
塩対応で少し粗暴な普段のあたるからは想像ができないくらい、いじらしくて素直な言葉だと思います。こういった普段の姿とのギャップに、「そういうとこだぞ」と言いたくなるあたるの要素が詰まっています。
いつもじゃれあって騒がしい二人が静かに帰る様子から、「これがもう一つの二人の本来の関係性なんだな…」と尊く思う気持ちが溢れてきます。
いつもの塩対応のように思えますが、この短い言葉には「そんなことしなくても優しくするよ」「悲しくなるようなこと言うなよ」「ラムが幽霊になったら(死んじゃったら)困るよ!」というあたるの切実な気持ちが感じられます。
あたるは、「本当のこと」が嘘か本当か判断がつかないような場面でラムちゃんに伝えたくなかった。
ラムちゃんにはいつだって「本当のこと」を伝えたいのに、周りが茶化したりラムちゃん自身が「ダーリン」と追いかけ回してくるために、あたるは「本当のこと」を言えずに過ごしていた。だから時折、飾らない言葉で遠回しに伝えるのが精一杯だったのではないでしょうか。
そして裏を返せば、これまでに並べてきた飾らない言葉たちこそが、あたるの伝えたかった「本当のこと」なのだと感じ取れて、そのいじらしさに心揺さぶられてしまうのです。
ラストにようやく伝えることのできた「本当のこと」、二人の関係性が一生続くことを願わずにはいられません。
いつもの騒がしく粗暴なあたると比べると、デレる時の穏やかさや包み込むような優しさは異質なものに映るはずです。にも関わらず、特別なギャップとして描かれることもなく、シームレスに違和感なくデレが展開されていくのを見ると、おそらくデレるときこそがあたるの素なのだと思います。
そんなあたるの言動を深読みしていくと、言葉の裏に隠された真意に気づいてより深みにはまっていくことになります。一挙一動を考えれば考えるほどに沈んでいく…あたるの素から繰り出されるデレはいわば「文学的なデレ」。じわじわと侵食する沼なのです。
ぜひ一度その「文学的なデレ」を体感してほしい。『うる星やつら』新アニメは、2022年10月13日(木)フジテレビ”ノイタミナ”ほかにて放送開始です。
<スタッフ>
原作:高橋留美子「うる星やつら」(小学館 少年サンデーコミックス 刊)
監督:髙橋秀弥、木村泰大
シリーズ構成:柿原優子 キャラクターデザイン:浅野直之
アニメーション制作:david production
<キャスト>
諸星あたる:神谷浩史
ラム :上坂すみれ
三宅しのぶ:内田真礼
面堂終太郎:宮野真守
<公式HP>
https://uy-allstars.com
<公式Twitter>
https://twitter.com/uy_allstars
©高橋留美子・小学館/アニメ「うる星やつら」製作委員会
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