広告をスキップ

なぜラムに塩対応?『うる星やつら』諸星あたるの“文学的ツンデレ”に隠された気持ちがたまらない…!

再アニメ化が決定し、発表から数十年経った今でも世間を賑わせている高橋留美子先生の名作『うる星やつら』
作品に登場する鬼娘・ラムちゃんは、現代でも10代女子の間で「レトロポップアイコン」として世代を超えて絶大な人気を誇っていますが、実は本作の主人公ではありません。

本作の主人公は、ラムちゃんが想いを寄せる男子高校生・諸星あたる
女の子(ラムちゃん以外)にデレデレしたり、口が悪くてトラブルメーカーだったり……と、1981年放送のアニメ版ではコミカルな面がピックアップされがちでしたが、原作コミックにおける諸星あたるは少し大人でよりクールなツンデレ男子。

 TVアニメ「うる星やつら」公式サイトより

TVアニメ「うる星やつら」公式サイトより

”あの”ラムちゃんが宇宙を越えて惚れ抜いた諸星あたるのツンデレ具合はすさまじく、筆者はもはや「文学的」だと感じているほどなのです。

※本記事は性質上、ストーリーに触れています。

塩対応なのになぜ?諸星あたるにラムちゃんがベタ惚れな理由

“無類の女好き”とされるあたるが唯一塩対応を貫くのが、あたるにベタ惚れなラムちゃん。
この時点で「逆に特別に思ってるだろ…」感は拭えないのですが、その塩対応っぷりは相当なもの。邪険に扱ったりわざと目の前で女の子へ言い寄ったり、それが原因で喧嘩することもしばしば。

ラムちゃんとの出会い時に発生した勘違いが原因とはいえ、その後は徹底して塩対応を貫かれているのに、なぜラムちゃんはあたるにベタ惚れなのでしょうか?
それは、あたるがラムちゃんにだけに伝える素直な言葉に答えがあります。
あたるがここぞというときにラムちゃんへ掛ける言葉は優しくて切なくて、素直な愛に溢れているのです。

『うる星やつら〔新装版〕』1巻(小学館)

『うる星やつら〔新装版〕』1巻(小学館)

via 『うる星やつら〔新装版〕』1巻(小学館)
例えば、3巻収録第9話「君まてども…」における「もうちょっといっしょに歩こうよ」
これは、クラスの男子に騙されたあたるを救うために変装したラムちゃんが、あたるとの帰り道に一人で飛んで帰ろうとしたときに咄嗟に掛けた言葉です。

ここまで徹底して塩対応を貫いてきたあたるですが、自分のためにわざわざ変装したラムちゃんを見て心を動かされ、ラムちゃんに対する気持ちの変化のきっかけとなります。
アッサリと飛んでいってしまうラムちゃんの姿に対し、初めて少しの寂しさを覚えたあたる。口をついて出た言葉は「待て」でも「一緒に帰ろう」でもなく、「もうちょっといっしょに歩こうよ」。

『うる星やつら〔新装版〕』2巻(小学館)

『うる星やつら〔新装版〕』2巻(小学館)

via 『うる星やつら〔新装版〕』2巻(小学館)
ラムちゃんは空を飛んで帰ることができますし、わざわざ歩いて帰る必要なんてありません。その一方で、あたるは地面を歩くことしかできない。だから「(必要ないのはわかってるけど、君がいいなら少しだけでも)もうちょっといっしょに歩こうよ」と誘うのです。

塩対応で少し粗暴な普段のあたるからは想像ができないくらい、いじらしくて素直な言葉だと思います。こういった普段の姿とのギャップに、「そういうとこだぞ」と言いたくなるあたるの要素が詰まっています。

普段は「ダーリン」と呼んであたるに過剰なスキンシップを求めがちなラムちゃんも「…うん」とだけ返事をし、飛ぶのをやめて静かに手を握るだけ。

いつもじゃれあって騒がしい二人が静かに帰る様子から、「これがもう一つの二人の本来の関係性なんだな…」と尊く思う気持ちが溢れてきます。

『うる星やつら〔新装版〕』19巻(小学館)

『うる星やつら〔新装版〕』19巻(小学館)

via 『うる星やつら〔新装版〕』19巻(小学館)
そしてもう一つが、24巻収録第2話「最後のデート」における「なにいってんだ、バカ!」
幽霊の女の子に最期まで優しく接したあたるを見て惚れ直したラムちゃんが、「うちも幽霊になろっかな?」と冗談を言った際の返しの言葉です。

いつもの塩対応のように思えますが、この短い言葉には「そんなことしなくても優しくするよ」「悲しくなるようなこと言うなよ」「ラムが幽霊になったら(死んじゃったら)困るよ!」というあたるの切実な気持ちが感じられます。

『うる星やつら〔新装版〕』31巻(小学館)

『うる星やつら〔新装版〕』31巻(小学館)

via 『うる星やつら〔新装版〕』31巻(小学館)
普段の口達者なあたるなら「幽霊になろっかな」と言うラムちゃんに対し、ここぞとばかりに捲し立てて皮肉を並べたり、あるいは冗談に対して責め立てたりしてもおかしくありません。にも関わらず、憎まれ口は絞り出したような「バカ」の一言だけ。
この言葉には、ラムちゃんへの深い愛情と少しの怒りが込められています。普段から塩対応を貫くあたるですが、冗談でも「幽霊になろっかな」なんてラムちゃんに言って欲しくはないのです。だって、本当はいつだって隣を歩いてほしいと思っているから。
その切実な気持ちを”呆れ”のオブラートに包んで、やっと吐き出した言葉。
この不器用さで隠そうとする愛情と優しさのバランスが、あたるを魅力的な人物たらしめているのです。
『うる星やつら〔新装版〕』32巻(小学館)

『うる星やつら〔新装版〕』32巻(小学館)

via 『うる星やつら〔新装版〕』32巻(小学館)
最後にどうしても触れておきたいのが、最終回でのラストのあたるの”ある言葉”。
ラストシーンの言葉なため、詳細は伏せますが……最終回のあたるの姿からは、「なぜそこまでしてストレートに愛を伝えないのか」という疑問への答えが示されているのだと思います。

あたるは、「本当のこと」が嘘か本当か判断がつかないような場面でラムちゃんに伝えたくなかった。
ラムちゃんにはいつだって「本当のこと」を伝えたいのに、周りが茶化したりラムちゃん自身が「ダーリン」と追いかけ回してくるために、あたるは「本当のこと」を言えずに過ごしていた。だから時折、飾らない言葉で遠回しに伝えるのが精一杯だったのではないでしょうか。

この姿勢が見えたことで、ラムちゃんに対する言動へのもどかしさが一気に解消され、読み返すとこれまでの物語により深みが増していきます。

そして裏を返せば、これまでに並べてきた飾らない言葉たちこそが、あたるの伝えたかった「本当のこと」なのだと感じ取れて、そのいじらしさに心揺さぶられてしまうのです。
ラストにようやく伝えることのできた「本当のこと」、二人の関係性が一生続くことを願わずにはいられません。

素直な言葉で紡がれる「文学的なデレ」がたまらない…!

TVアニメ「うる星やつら」第1弾PV


あたるは普段からツンとしていて塩対応ですし、デレるときも決して歯の浮くような甘い愛の言葉や、“壁ドン”のようないかにもな行動でラムちゃんの気を引いたりはしません。
照れたり声がうわずったりもせず、あたるがデレるのは「素直な言葉」の中でのみ。

いつもの騒がしく粗暴なあたると比べると、デレる時の穏やかさや包み込むような優しさは異質なものに映るはずです。にも関わらず、特別なギャップとして描かれることもなく、シームレスに違和感なくデレが展開されていくのを見ると、おそらくデレるときこそがあたるの素なのだと思います。

一見しただけでは「今のはデレか…?」と考えさせられてしまうほど普通にデレるあたるの言動。

そんなあたるの言動を深読みしていくと、言葉の裏に隠された真意に気づいてより深みにはまっていくことになります。一挙一動を考えれば考えるほどに沈んでいく…あたるの素から繰り出されるデレはいわば「文学的なデレ」。じわじわと侵食する沼なのです。

ぜひ一度その「文学的なデレ」を体感してほしい。『うる星やつら』新アニメは、2022年10月13日(木)フジテレビ”ノイタミナ”ほかにて放送開始です。

(執筆:宮本デン)

TVアニメ「うる星やつら」解禁ティザーPV

■ほんとそれ!杉田智和も共感する『らんま』『うる星』…高橋留美子“男性キャラの魅力"って?
https://numan.tokyo/anime/FCRhT
■るーみっく作品、最強キャラは誰だ?高橋留美子の公式Q&Aで白熱!意外なあの人が…【犬夜叉、うる星、らんまetc.】
https://numan.tokyo/comic/A1Ukp
■りん、動くな――『犬夜叉』殺生丸とりんの愛が深い…!“殺りん”にキュン萌えする名言といえば?
https://numan.tokyo/anime/xdjjV

TVアニメ『うる星やつら』作品概要

2022年フジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送

<スタッフ>
原作:高橋留美子「うる星やつら」(小学館 少年サンデーコミックス 刊)
監督:髙橋秀弥、木村泰大
シリーズ構成:柿原優子 キャラクターデザイン:浅野直之
アニメーション制作:david production

<キャスト>
諸星あたる:神谷浩史
ラム   :上坂すみれ
三宅しのぶ:内田真礼
面堂終太郎:宮野真守

<公式HP>
https://uy-allstars.com

<公式Twitter>
https://twitter.com/uy_allstars

©高橋留美子・小学館/アニメ「うる星やつら」製作委員会

IMAGE

numan編集部

声優、アニメ、舞台、ゲームまで!オタク女子のための推し活応援メディア

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合がございます

オタ腐★幾星霜