広告をスキップ
『仮面ライダーガヴ』テレビ朝日公式サイトより

常識をぶち壊す?『仮面ライダーガヴ』が“異様な空気感”を放つわけ。中盤から漂う「闇」や不穏な展開にニヤリとさせられる

突如、どこからともなく現れたビターガヴは喫茶店や駄菓子屋を襲撃。欲望のままに、食べ物を喰らいつくす姿が、とても恐ろしい雰囲気を漂わせていました。

当初はショウマ本人の可能性も否定できない状況下でしたが、次第にショウマとは別物の存在であることが明らかに。腹部のガヴがショウマのものとは異なり黒く、変身後の姿もブラックを基調とした姿となっています。

このビターガヴの描写で何とも驚いたのは、初変身時の蛮行です。なんと駄菓子屋を襲い、店内の駄菓子を喰らうだけでは飽き足らず、店主のおばあさんを突き飛ばし、袋たたきにするという、驚きの行動に出たのです。

通常は仮にも子供向け番組でもある「仮面ライダー」において、ここまで露骨な暴力シーンは描かれないのですが(その昔『仮面ライダークウガ』というすごい作品もありましたが…)まさかここまでするとは思いもよらず、文字通り、開いた口が塞がりませんでした。

可愛らしさの中に不穏さを混在させていた作風が、ビターガヴの登場により、一気に不穏さが加速。その影響で、マンネリどころかより一層の興味を湧かせる新鮮味を視聴者に提供することになったと言えるでしょう。

このビターガヴ、巷では映画『スパイダーマン3』(2007)で、主人公のピーター・パーカーが宇宙からやってきたシンビオート(ヴェノム)に寄生された際の豹変してしまった姿と重ねられていることもしばしば。確かにビターガヴの変身後の姿はヴェノムと酷似していますよね。

主人公が一番の悪者では?とさえ疑ってしまう

思えば『仮面ライダーガヴ』という作品は、どうにも掴みどころがないというか、突然、豹変したかのような様相を呈することがあります。

中毒性の強い「闇菓子」を流通させる敵がいたり、子供が敵怪人に変身したり、女性を水槽の中に突き飛ばしたりと、衝撃的なシーンがいくつも存在しており、これは本当に『仮面ライダー』なのかと疑ってしまうほどの異様な空気が流れています。

筆者のような大人の視聴者は「おいおい大丈夫か?」と思いつつも、どこかニヤけてしまうような作風になっているのです。

そうした異様な空気感を損なわないためにも、ラキアやビターガヴといった新たなキャラクターたちの導入が良いフックとなり、視聴者を引き付けて離さない要因になっていると言えるでしょう。

上記のような理由から、本作は、近年、マンネリ化しつつあった「令和仮面ライダー」シリーズへのテコ入れが施されているような印象を大いに受け、今までとはどこか違う新鮮な空気感を漂わせることに成功しているのではないでしょうか。実は主人公が一番の悪者なんじゃないか?とさえ疑ってしまいます……。

しかしながら、ご安心ください。本作は、ただただ怖いだけの作品ではなく、まるでおもちゃ箱のような楽しさと可愛らしさも詰まった作品というのを大前提にしています。

浅沼晋太郎演じる酸賀研造もまだ油断ならない

季節に合わせた様々なお菓子が登場しており、クリスマスにはクリスマスケーキやブッシュドノエルをモチーフにした強化フォームが登場し、バレンタインデー周辺ではチョコレートをモチーフにしたヴァレンがフォーカスされました。

今後もアイスをモチーフにしたブリザードソルベフォームの活躍を初め、これからの季節にピッタリのお菓子ライダーたちの活躍を観られそうで、思わず舌鼓を打ってしまいそう!

物語は折り返し地点を迎え、ますます盛り上がりを見せることは請け合いで、目下の注目ポイントは、浅沼晋太郎さん演じる酸賀研造の存在。当初は怪しげな雰囲気を漂わせながらも、絆斗を改造しヴァレンにしたことから善玉キャラなのかなとも思っていましたが、どうにも裏がありそうな予感…。

ショウマのDNAを採取し、ビターガヴとも関係していそう。彼の存在がさらなる盛り上がりに欠かせないキーパーソンとなるのは明白で、これからの動向から目が離せません。そんなキャラクターたちの新登場や変化が魅力的な『仮面ライダーガヴ』をまだまだ楽しんでいきましょう。

(執筆:zash)

 

IMAGE

zash

子供の頃から培ってきた映画、海外ドラマ、特撮、アニメの知識を活かして活動中。各媒体でコラム、取材レポート、インタビュー記事を執筆する他、雑誌やマスコミ用リリースへの寄稿も行っている。

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合がございます

オタ腐★幾星霜