阿部裕華
編集者/インタビューライター。映像・漫画・商業BL・犯罪心理学の沼に浸かる者。推しは2次元の黒髪メガネキャラ・英国俳優・BUMP OF CHICKEN・愛猫2匹。共著「BL塾 ボーイズラブのこと、もっと知ってみませんか?」発売中。
推される側にも推しがいる。
そして、推される側だからこそ“推し方のコダワリ”があるはず。
そんな推されている人たちがどのように推し活をしているのか話を聞く「推し活マイルール」。
今回は、2024年に活動12周年を迎える声優アイドルユニットi☆Risのメンバー、芹澤優さん、山北早紀さん、若井友希さんの3人が登場。
ガールズグループ・IVEを推している芹澤さんは「ファンクラブに入るくらい好きだけど、推しからは認知はされたくない!」と、グッズやモノを買いがちなオタクである山北さんは「加湿器にハマった時は25台家に置いてあった」と、ディズニーのドナルドを推している若井さんは「毎回違う動きの推しを見るために同じショーに通い、推しに会うためなら何時間でも待つ」と、序盤から三者三様の濃ゆい推し活エピソードが繰り広げられます。
推しも推し方も異なる3人は、推し活マイルールも三者三様。ただ1つ共通していたのは、「推しの嫌がることはしない」ということでした。
それぞれの推し活に迫ると共に、推されているからこそ意識している「SNSの使い方」についても聞きました。
さらに、2024年1月24日にリリースした24thシングル『White Lyrical Kingdom/キセキ-ノ-フィラメント』の“推しポイント”、活動12年目を迎える今だからこそ感じている“推されている側として意識していること”などたっぷりお話しいただいています。
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INDEX
――はじめに、皆さんが現在推している人・モノ・コトや最近している推し活についてお聞かせください!
芹澤優(以下、芹澤):
今はK-POPがすごく好きですね。中でも、ガールズグループのIVEちゃんはデビューからずっと大好き。
もともとTWICEが好きでいろいろ動画を見ている中で、IVEちゃんの「LOVE DIVE」という楽曲が流れてきたんです。世界観、衣装がとにかくかわいくて衝撃を受けました。
ボーカル・ウォニョン様のカリスマ性、メンバー一人ひとりの個性も素晴らしく、まさに“女の子が好きになる女の子”。ファンクラブに入っているほど推しています。
若井友希(以下、若井):
私は性格的にもともと何かを推すタイプの人間ではなくて、メンバーのみんなが「今は〇〇が推し!」と話しているのを聞いて、「私は何を推しているのだろう」と考えていることも多かったのですが……。
そんな私が今、唯一推しているのがディズニーのドナルドです。ドナルドを見るために、ディズニーランドのショーパレ(ショー&パレード)にめっちゃハマっていました。
たぶん人よりも動物やマスコットを好きになりやすいんですよね。だから、ポケモンとかキャラクターっぽいものを好きになりがちかもしれません。
山北早紀(以下、山北):
私は昔から日本・韓国問わずアイドルグループにハマったり、アニメにハマったりしているのですが、私の推し活は総じて“とにかくモノを買う”という(笑)。
グッズ系はもちろん、加湿器にハマった時は家に25台の加湿器がありましたし、ハンディ扇風機にハマった時は10個くらい買ってしまって……。最近は、電子カイロにハマっているのですが、今のところ3台買っていて、「まだ欲しいな……」と思っているところ。買いがちなオタクなんだと思います(笑)。
――加湿器25台はすごいですね……!
山北:
小学生の時から買いがちなオタクだったんです。北海道出身なのですが、好きだったアーティストはなかなか北海道へライブに来てくれなくて。会える機会は少ないけど推したちは活動しているから、グッズをひたすら買って会えない寂しさを満たしていました(笑)。
最初にハマったアイドルグループが活動歴数年だったから過去に出していたグッズをショップで買い占めて、ショップに売っていないグッズは中古商品販売店を探し回る。今ほどネットでグッズを買うことが一般的ではなかったので。当時小学生だったけど、血眼になってグッズを集めていました(笑)。
一同:
あはは(笑)。
山北:
中学生の時には、ハマったアイドルグループがコンビニとコラボでグッズを出したからと、お小遣いを全部使い果たしてグッズを買い占めていました……。
――山北さんの“とにかくモノを買う”と同じく、推し活をしている中で「自分すごくオタクだな……」と感じるエピソードはありますか?
若井:
同じショーパレを何回も見てしまうことかな。オタクの皆さん、ライブに何回も足を運んでくれるじゃないですか。1つのツアータイトルだと基本的にセットリストは同じなのに。私は「1回見たら十分じゃないの?」と思っていたのですが、ディズニーのショーパレを見たらオタクが何回も同じライブに行きたくなる気持ちが分かったんですよ……。
ドナルドとデイジーがチューしてくれたり、別のキャラクターと絡んでくれたり、その日にその時にしか見ることができない推しの動きの尊さを知ってしまいました。
ドナルドだけではなくドナデジ(ドナルドとデイジー)推しでもあるため、毎回ドナデジを中心に撮影しているのですが、ドナルドが銀テープをくちばしにかけて、デイジーにチューした瞬間は最高でした……。毎回同じ動きをしてくれるわけではないからこその良さがあるんですよね。
――とはいえ、ディズニーのショーは抽選に当たらないことも多いですよね。ショーのために行ったのに見られないと凹みませんか?
若井:
そうなんですよ……!
芹澤:
え、行ったその日に抽選なんですか?
若井:
行って、パークに入ってからじゃないと抽選できないのよ。
芹澤:
わー!
若井:
だから、ショーの抽選に外れたら「今日は何をしに来たのだろう……」となってしまう。
山北:
なかなか厳しいですね……。
若井:
私もずっと『クラブマウスビート』の抽選に外れ続けていたのですが、最近は初回公演だけ並べば見られるようになったんですよ。
なので、インパ(パークへ入園)したらアトラクションに並ぶのではなく、最初からショーに並んで何時間でも待ちます。
アトラクションに乗りたい子やほかに遊びに行きたい子と一緒に行った時は、「私、ここで待っているから遊んできていいよ!」と言っています(笑)。「推しを見るためなら何時間でも待てる」という気持ちがやっと分かりました。
――推しとグリーティングもするんですか?
若井:
します! 初めてグリーティングに並んで写真を撮る時はめっちゃ緊張しました(笑)。緊張し過ぎて普通にしゃべれませんでしたからね……。「す、好きです!」としか言えなくて、「これがオタクか!」と思いました。
あと私は、推しに認知されたいので、「あなたを推しているよ!」とドナルドのぬいぐるみやグッズを身に着けていくのですが、最近はあえて違うキャラクターのグッズを身に着けることも。
山北:
それはなんで?!
若井:
「なんで僕のグッズを身に着けてないの!?僕が1番じゃないの!?」と嫉妬させたいの。面倒くさいでしょ!?(笑)
山北:
面倒くさいけど(笑)、ドナルドって怒っているイメージがあるもんね。
若井:
そうそう! 怒っている時が1番ドナルドの良さが引き立つんですよ。実際に自分が同じことをされたらめっちゃ嫌だけど(笑)。そういう楽しみ方を知ってしまいました。
芹澤:
私は逆に推しには認知されたくないかも……。あまり接触したくないオタクなんですよね。SNSの投稿にいいねもあまり押せなくて。私は自分に自信がある方だけど、推しの前では「私ごときが……」と思ってしまうんですよ。
それは、私にとって推しは友達ではなく神様だから。勝手に崇めて応援しているだけ。「認識してくれなくていい! 私の存在なんて空気だ!」と思っています(笑)。
同じレベルの人間になったら会いに行きたいですけどね。今は1番近くてライブでいいかなって。
IVEのライブ行けました!!生きててよかったです!!ほんまにぃ!!😢💘✨ #irisyou pic.twitter.com/hYXr93b64C
— 芹澤優(i☆Ris) (@iRis_s_yu) February 20, 2023
とはいえ、倍率が高くてライブもほとんど当たらないのですが……。
山北:
私は認知されたいとかはないのですが、例えば推しが結婚したら「おめでとう!」と思えるけど、心のどこかで少し寂しい気持ちにもなってしまうところがあるかもしれません。推しは心の支えになりますからね。
若井:
山北オタクも同じことを思っている人が多そうだよね。推しとオタクって似るんだな……。
――推される側の皆さんが、推し活をする上で意識している「推し活のマイルール」はありますか?
若井:
欲張りすぎないこと。私自身、「レスくれ!」とアピールしすぎる人より、あえてちょっと控えめな人にファンサしたくなることがあって。それは普段から自分のファンのみんなにも伝えています。「ガツガツこない方が好き」って。ファンのみんなも「そっか、OK!」という感じです(笑)。
山北&芹澤:
へえ!
若井:
「好きだからいっぱいアピールしよう!」という気持ちはもちろん嬉しいですよ。でも、欲張りすぎない方が私はいいなって。なので、自分が推し活をする時も欲張らないことを意識しています。
芹澤:
私は、推しのヘアスタイルやメイクなどで見た目が変わって、例え今より前の方が良いと思っても絶対口に出さないことを意識しているかもしれません。「髪型、前の方がよかった」とか。
もちろん「この時のビジュの方が好きだったな……」とかはあります。あったとしても、私自身は「ファンのみんなには芹澤優の1番の味方でいてほしい!」と思っているんですよね。
だから私も、推しが疲れていて対応が塩っぽくても、テンションが低くても、どんなことがあっても、「今日は微妙だった」とか絶対に言わないと決めています。
――推しも人間ですからね。
芹澤:
そうなんです! 人間だから、そういう時もあるじゃないですか。それは仕方がないことだと思います。なので、「この人は私の推し!」と決めたら全肯定するタイプです。
若井:
推しにとって、すごく良いファンだな……。
山北:
2人の話を聞いていて、良いことをするよりダメなことを潰していくことが大切なのかなと思った。
若井:
どういうこと?
山北:
「推しがこれをしたら喜ぶだろう!」ということはもちろん嬉しいですが、欲を出しすぎないとか、SNSで推しに対してネガティブな意見を発信しないとか、「推しが嫌な気持ちになることはしない!」という意識が大切なのかもなって。
若井:
なるほどね。
山北:
あとは、イベントがあった日や何か新しい発表があった時は、推しのいいところをたくさん発信するとか。私を含め、表に出る人は今の時代SNSで自分の名前をエゴサしていると思うんですよ。なので、「推しはきっとこの呟きを見ているはず」と思いながら呟いていますね。
――i☆Risの皆さんはエゴサしているんですか?
一同:
しますね!
若井:
もちろん全部が全部肯定的な呟きではないのですが、「ライブのここが良かった!」とかは気になります。
あとは、エゴサしていると「あ、これ告知されていたんだ!」と気づくこともあって(笑)。ファンのみんなの方が私の情報をいっぱい知っていてくれるから、エゴサすると情報に置いて行かれずに「私もこの情報告知しよう!」と意識できるのがいいんですよね。
山北:
私もイベント終わりや新曲のジャケ写が解禁された時にエゴサしています。良いパフォーマンスをしたりビジュが盛れていたりすると、みんな「プギャー!」という反応をするのに、ちょっと微妙だと「早紀さんはいつもかわいい」みたいな優しい文章になっているんですよ(笑)。
一同:
(笑)。
山北:
その時々でリアクションが違うので、呟きのテンションを見て、「今回はそういう出来ね。OK、次に活かします!」と判断しています(笑)。
芹澤:
私はエゴサする割に、昔はみんなの意見にすごく影響を受けていました。ライブの後にSNSを見て、大泣きしたこともあります。だけど、最近は12年目の余裕が生まれてきたと言いますか……。
例えば、「芹澤優って言うても別にかわいくないだろ」という呟きを見ると「対面してやりたい!」「私を目の前にして同じことを言ってごらん?」と言いたくなる(笑)。「このパフォーマンス良くなかった」と言われたら「見る目ないな!」と自信を持って思えるようになりました。
――推しのSNSとの付き合い方が参考になることもあるのでしょうか?
山北:
同じような活動をしている人のインスタライブを見に行くことが多いのですが、その時に「この人はどういうコメントを拾うんだろう?」と意識して見ることが多いですね。
「たしかに、こういうコメントは読むよね」と共感する時もあれば、「こういうコメントは拾うんだ!」と参考になることもあります。
次ページ▼MVが尊すぎる?新曲「White Lyrical Kingdom」の推しポイント
阿部裕華
編集者/インタビューライター。映像・漫画・商業BL・犯罪心理学の沼に浸かる者。推しは2次元の黒髪メガネキャラ・英国俳優・BUMP OF CHICKEN・愛猫2匹。共著「BL塾 ボーイズラブのこと、もっと知ってみませんか?」発売中。
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