numan編集部
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ここではCOSPA Essentialsのプロデューサーとクリエイティブアートディレクターを兼任する「beauty:beast」のデザイナー・山下隆生さんと、COSPAの執行役・廣瀬尚行さんのインタビュー後編をお届け。
後編では現在、渋谷パルコ5階特設スペースにて販売・試着会が行われている『ディズニー ツイステッドワンダーランド コスチューム』のこだわりや、COSPA Essentialsの今後の展望を伺います。
■前編はこちら!
・元パリコレデザイナーがコスプレのパイオニアCOSPAに就任。CHANELのデザイナーも注目したアニメアイコンの価値とは(https://numan.tokyo/interview/kXEYJ)
INDEX
山下 テーラリングのイメージや礼式服のソースがイングリッシュスタイルなので、ヨーロッパの匂い——皇室の気高さといったロイヤリティ的な雰囲気がしっかり入っている作品という印象を受けました。「お!」というディテールもたくさんありまして、例えばベストのサイドパネル(※)がなかったり、グラブの人差し指に通常はない切り替え線が入っていたり。肩の傾斜もすごくこだわりのある傾斜で、それにあわせてショルダーパッドを探したりしました。
※脇部分にある切り替え線のこと。
山下 これはコスプレそのものに関してなのですが、衝撃的だったのは女性が男装する際はバストを潰して、パッドを盛ってより男性らしい体のシルエットを作っていくということ。ファッションの世界においては洋服に対して自分を捻じ込むパターンが多いので、自分の体型を変えて服を着用するという発想が新鮮でした。作品やキャラクターへの愛情がそこまで深いんだと、改めて勉強させていただきましたね。
なので、その変身していくところまでをどう計算して洋服にしていくかは、普段の作業とは違う部分でした。例えば、女性のヒップラインを直線的に見せるようなカッティングにするために、パンツのシルエットだけでも何回も組み直したりしました。そうした作業は僕としても新鮮で、オートクチュールに近い作り方でしたね。
そうした方々が、山下さんが組み立ててくれたコスチュームを見たとき、抜けている視点や思いもよらない視点が恐らくあると思うんです。なので、実際にご試着していただけるイベントを企画することになりました。とくに今回の衣装は、着ることでと違いが伝わると思うんです。
今回はスニーカー感覚でスーツを着れるというところが隠しテーマでもあるので、ストレッチで拘束感がないようにもしています。キャラクターに対してのリスペクトはもちろん大前提にありますが、着用される方の自由度、着用感を大事にして、より楽しんでいただけるようなものに仕上げました。
ハンガーやトルソーに着せ付けて、フィギュア感覚で部屋に飾っていただけるし、インテリアとしても非常に満足度が高いんじゃないかなと。最近は等身大のフィギュアや高額なアクリルのアートも登場していますけれど、二次元が三次元に具現化されたアイテムで飾っておけるというところを考えると、コスチュームは高品位のコレクターズグッズたり得ると考えています。
山下 一番苦労したのは、寮章のオーナメント。洋服は仕事柄慣れていると言うと変ですけれど、オートクチュールみたいな形で進めていけました。でも、寮章のオーナメントは型を作るのも大変でお金がかかったし、ディズニーさんからの承認をいただくのも時間がかなりかかりました。7寮ありますが、型を起こすだけで1寮40万円かかっています(苦笑)。
廣瀬 ある日、山下さんに怖い顔で「廣瀬さん、ちょっとお話が」と呼ばれて、「型を修正したいんですけれど、40万かかるんです」と相談されたときは、「うわー、どうしよう!?」と思いました(笑)。
廣瀬 山下さんのこだわりもすごかったです。忠実に再現するというミッションが前提にありながらも、コスチュームとしてカッコよくありたいというところで、工場さんも大変だったと思います。
廣瀬 カラーは本当にこだわって調整して、専用に生地の色を作らせてもらいました。リボンも実際に触っていただければ分かるのですが、高級感が出るように厚みと張りをもたせています。皆さんが自分で作られてるときには、なかなか揃えられない素材だと思います。
山下 全てオリジナルですからね。
廣瀬 だいぶ贅沢な作り方をしていますよね。パリコレなどに出ているハイエンドのブランドと同じような物作りです。
廣瀬 物作りの面では意見が合うところが多かったので、山下さんに対して改めてリクエストする部分はなかったですけれども、コンテンツのファンが大事にしているところのすり合わせは結構重ねましたね。
通常のファッションにおける洋服だとそこまで重視されないところでも、このコンテンツの作品の衣装として見たときにどうしても外せないところ——色味や微妙なシルエットなどですね。「本来こっちの方がカッコんだけれど、作品に寄せるにはこっちの方がいい」といった取捨選択とリレーションは、慎重に進めていきました。
廣瀬 普段キャラクターの商品を作っている僕らからすると、とんでもない贅沢なことをしながら作り上げていった商品です。実際、この衣装を発表したときに賛否両論ありまして、やはり価格が高いという声もいただいているんですけれど、やっていることからするとむしろ安いぐらいというのは、お伝えしていきたいところ。逆にこのクオリティのコスチュームが当たり前になっていく、そんな世の中になったらいいなという願いも込めた商品になっています。
廣瀬 サステナビリティというか、その永続性みたいなところは、実は20年前にやられてたCOSPA vs beauty:beastのところから連綿と続いているものですよね。キラーアイコンの意味合いもそうですし。
廣瀬 山下さんに入ってもらった強みを生かして、山下さんのネットワークを使ってもらいながらさまざまな方々と繋がりつつ、物作りをしていっていますね。
山下 「伝統工芸のテキスタイル」に関しては、ジャガード織機をベースにキャラクターたちを紙で見せる2次元的なものではなく、2.5次元的な表現としてテキスタイル表現という形で、産地と組んで掛け軸を作っています。軸装も京都の職人さんたちと開発を進めていまして、そこに日本が代表するキラーアイコン、キャラクターたちをジョイントさせて表現していくというプロジェクトですね。それをバーチャル空間にディスプレイできるような取り組みとブレンドさせた形で発表する予定です。
山下 そうですね。20代のうちから東京コレクションなどで活躍するようなデザイナーさんたちだとか、僕の世代の50代のデザイナーさんたちにも、表現できるステージとしてご一緒できたらなというのが、このCOSPA Essentialsの目的でもあります。
『ディズニー ツイステッドワンダーランド』に登場する「ナイトイレブンカレッジ」の制服のレプリカが、2022年9月9日COSPA Essentials特設サイトにて数量限定で予約開始!それに伴い、渋谷PARCO 5F特設スペースにて販売・試着会を期間限定で開催いたします。7寮の制服をご試着頂ける唯一無二の機会となっております。
イベント期間:2022年9月30日(金)~10月27日(木)
イベント会場:〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町15−1 渋谷PARCO 5F
発売日:2022年10月上旬より順次お届け予定
サイズ:S/M/L
セット内容:ジャケット、ベスト、シャツ、パンツ、腕章、ネクタイ、グローブ、ベルト、カフスボタン
価 格:各217,800円(税込)
◆初回各寮合計100セット
※各寮・各サイズ合計で初回数量100着の販売となります。売り切れの際はご容赦ください。※以降の再生産は未定となります。
※ご注文締切:2022年10月31日(月)
発売元:株式会社コスパ
ブランド:COSPA Essentials
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