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キャストには、主人公・佐伯明日夏役に今作が映画初主演となる山崎丹奈さん、そして明日夏に不思議な能力を与える弔屋(とむらいや)役に玉城裕規さん、明日夏が偶然出会う青年・近藤充役に高崎翔太さんと注目俳優陣が登場。
その中でも物語の鍵を握る、不思議な能力を持つ人ならざる存在・弔屋を演じた玉城裕規さんに直撃インタビュー! 撮影の思い出や、玉城さん自身の願いについて語ってもらいました。
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玉城裕規さん(以下、玉城) まずは、楽しみでした。ボーカロイド楽曲から作られた作品があることは前に聞いたことがあったんですが、楽曲から映画のストーリーが生まれるというのが、どういう風になるのかはあまり想像できなくて。その分、期待感がありました。
――出演のお話をいただいた時は、もう楽曲から脚本化されていた段階でしたか?
玉城 確か、もう脚本があったかな? 先に読んだと思います。
――今作で玉城さんが演じられた“弔屋”は、ポスタービジュアルからも一人だけ異質な雰囲気が漂う存在に。映画をご覧になる前の方は「どんなキャラクターなんだろう」と、特に気になる役柄だと思います。
玉城 僕がお話をいただいた時点では、もっと死神みたいな印象のキャラクターでした。でも、作品を読み込んでいく中でだんだん印象が変化していって……死神というよりも、劇中にもある“0と1が交差する地点”にいる存在、という言葉でしっくりきました。人というか、モノというか……ただ“存在”しているんだ、と。
玉城 そうですね。やっぱりビジュアル面にもインパクトのある役柄だったので、キャラクターの中身も濃くしてしまうと、ひたすら濃いというか……飽きられちゃうんじゃないかと思って(笑)。いい濃さで存在できたらと思ったので、光のようでもあるし、影のようでもあるように作っていきました。
――弔屋について、特別上映での舞台挨拶の際には「最初は白塗りのゾンビメイクになりかけてしまった」という裏話もされていましたが、見た目はどのようにイメージされていきましたか?
玉城 最初は全体的に黒づくめでイメージしていたんですけど、衣装合わせの時に見たら、どちらかというと白に近い色合い、シルバーとかの衣装だったので意外でした。
衣装担当の方も、他の作品で何回かご一緒させていただいている方だったのと、衣装合わせの機会も何度かあったので「こっちの方がいいんじゃないか」と色々とご提案もいただいて。そういう形で、撮影前から僕も一緒に作品づくりができたので嬉しかったです。
玉城 具体的にこう、というよりは、ベースを作っていただいた上でこっちがいいとか選ばせていただいて。話し合いの中で一緒に決めていった感じですね。
――山口ヒロキ監督をはじめ、『メサイア』シリーズなど過去の作品でもご一緒しているスタッフの方が多い現場だったそうですが、スタッフの方とのコミュニケーションが取れている分のやりやすさもあったのでは?
玉城 やっぱり、リラックスして臨めました。撮影のスケジュールはタイトだったんですが、このチームだからこそ、この期間で作れたのかな、っていうのはすごく感じます。多分、このスケジュールで初めての方ばっかりだったら……緊張すると、疲れるじゃないですか(笑)。
――そういう面では、共演者の中にお互いよく知っている仲の高崎翔太さんがいらっしゃるのは心強かったですか?
玉城 でも実は、翔太とはクランクインの前日には一緒にご飯を食べたりできたんですけど、ちゃんと話せたのはその時ぐらいで。あとはお互いの撮影が入れ替わりのことが多くて、スケジュールもタイトだったし、撮影中はなかなか話す余裕もなくて。
玉城 (映画ロケ地の名所としても知られる)網走刑務所で撮影できたことは嬉しかったですね。ただ……もうちょっと涼しければな、と(笑)。そうしたら、もっと周りの自然とかも感じながら楽しむことができたと思うんですけど、暑さと虫に意識が奪われて。なので、北海道はまた改めて満喫しに行きたいです(笑)。
――ちなみに玉城さん、虫は苦手ですか?
玉城 虫はわりと大丈夫なんですけど、動くと暑さで汗をかいちゃうので……虫が来ると、動きたくなっちゃうじゃないですか! 「今じゃない! 今じゃないよ、虫!」って、心で呼びかけていました(笑)。
――撮影の合間は、虫との対話だったと(笑)。
玉城 本番以外は、いかに省エネで佇んでいるかに命を懸けていたので(笑)。でも、そんな暑い中でアイスの差し入れがあった時は、いつも以上のアイスの存在感……! 愛おしさを感じました。
玉城 同じぐらい助けられたかも! クランクイン前日に、現地の方が食事に招いてくださって、地ビールや魚介をいただいて。いくら丼をみんなで分け合って食べました。
――いくら丼からもらったパワーで、網走ロケを乗り切れたと。
玉城 それは大きいですね、あの食事が撮影前じゃなかったら頑張れなかったかも(笑)。
――そんな苦労も乗り越えて完成した映画は、昨年12月に劇場公開されて以降も評判を呼び、公開翌年の今年8月には特別上映が開催、そして11月にはDVD化も決定と広がりをみせていますね。
玉城 たくさんの方に観ていただくことで作品はより完成していくと思うので、こういう機会があるのは幸せなことですよね。それに、公開当初の評判からどんどん広がっていることを感じられるので、観た方になにか影響を与えることができたのかな、と思うと嬉しいです。
玉城 え~っ!? う~ん……願い、ないかも? 神棚にお願いするときに浮かべるのは、「みんなが幸せでありますように」という想いなので、それですかね? それこそ、小さい願いなら「耳がもう少し小さくなりたい」とかあるんですけど(笑)。
――”みんなの幸せ”の次点が、”耳”ですか!?
玉城 そういうことはちょいちょい出てきますよ! 一番大きなお願いは、「みんなが幸せでありますように」ですけど、耳の大きさに、あと身長も7cm足してほしいでしょ、あと少し顔も薄ければ……。
――願い、あるじゃないですか!(笑)
玉城 あれ、めっちゃ出てきますね(笑)。たくさん食べても太らない体も欲しいです。
玉城 何かに悩んでいる時、楽しいことがあった時、どんな心情の時でもすっと心に入ってくる作品だと思うんです。だから、やっぱり万人に観てほしいです。誰にも、絶対に共感できる部分があると思うので。
――生死に関わる瞬間が描かれている作品ですので、観る人にとっても必ず関わりのある物語かもしれないですね。
玉城 そうですね。それに映像も、僕自身も観ていて「美しい」と感じましたし、暑い中で頑張って撮影した姿が、涼しく映っておりますので!(笑) 観終わった後に心が明るく、温かくなる作品だと思います。ぜひたくさん観て、たくさん周りの方にも広めていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします!
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