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「溺愛」(できあい)とは、深く可愛がること。盲目的に愛すること。
転じて、エンターテイメントジャンルのひとつ「溺愛系」の略称。女性向けの恋愛ものにおいて、「(主にハイスペックな相手キャラから)ヒロインや主人公がひたむきに愛される」傾向の作品のことを指すことが多い。近年は特に「結ばれたあとのカップルの、甘いやり取りを描いた作品」が目立つ。
タイトルに「溺愛」を含む作品も目立ち、中には幅広いメディアミックスで大ヒットを博しているものもある。具体的な世界観やシチュエーションは限りなく、異世界ファンタジーから現代オフィスラブまで幅広い。「溺愛系キャラ」「溺愛系男子」など、「溺愛系◯◯」「溺愛◯◯」などの属性表記に使用されることもある。この場合の「溺愛」とは、「ヒロインやパートナーに、膨大な愛を注ぐタイプ」というニュアンスである。
また「溺愛」のジャンルをより細分化することもできる。基本的には溺愛する相手キャラクターのタイプにより「ヤンデレ系」「寡黙系」「見守り系」などに分類する。
ヒロインが「溺愛(される)」作品の略から。
媒体や対象を問わず、古くから同系統の作品は多数存在していた。現在の「溺愛(系)」という名称が広まったのは、2010年代半ばからと考えられる。2024年現在では「作品ジャンル」のみならず、「作品タイトル」「作品のサブタイトル」「作品の煽り・宣伝フレーズ」「キャラクターやカップルの属性説明」などにも使用されている。
「◯◯ってマンガ面白かった!溺愛イチャラブが好きな人は絶対読んで!」
「最近は溺愛もののラブコメにハマってます。おすすめあったら教えてください」
「やっぱ溺愛キャラのラブコメが一番好きかも」
「見守りタイプの溺愛キャラが、実は嫉妬深いっていうのが最高!」
「攻めがずっと溺愛モードのBLっていいよね」
「これまでの二次元の推しって大体溺愛男子だったな」
▼「溺愛」キャラクターの傾向
具体的な条件があるわけではないが、主人公やヒロインを溺愛してくる相手キャラクターには、メジャーな傾向がある。
・容姿端麗である
・社会的地位がある(王子や伯爵、大企業の御曹司、ヤクザの若頭、生徒会長など)
・モテる、人望がある
・ハイスペックである(頭脳明晰、スポーツ万能など、秀でた分野を複数持つ)
また作品によっては、溺愛してくる相手キャラクターが複数名登場し、ハーレム状態になる場合もある。
溺愛される主人公やヒロインのタイプには多少幅があるが、「恵まれない境遇にある」状態から救済され、溺愛されていく「シンデレラタイプ」のキャラクターは多い。
▼他の注目ジャンルと組み合わされやすい
「溺愛」ジャンルは、その他の人気要素と組み合わされることも多い。
「令嬢もの」や「契約結婚もの」であれば、立場あるハイスペックなパートナーと仮初に結ばれた主人公やヒロインが「溺愛され生活が一変する」「初めは溺愛のフリだったが、やがて本当に溺愛されるようになっていく」といったステップを踏んでいく。
▼カップル動画やSNSアカウントでも「溺愛」人気
インターネット上のカップルSNSや動画投稿サイトでも、「溺愛」ジャンルは人気がある。
特に男性ユーザーが彼女や妻を溺愛する日々を綴った投稿や、溺愛ぶりが伝わる動画などは注目度も高い。人気ユーザーが書籍を発売したり、地上波バラエティに出演したりといった実例も増えている。
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