『鬼滅の刃』時透無一郎、炭次郎との出会いで知った“人のため”に生きること【鬼滅キャラの魅力】

アニメ遊郭編の興奮も冷めやらぬ中、ついに第三期となる“刀鍛冶の里”編の制作も発表され、まだまだ大盛り上がりの『鬼滅の刃』。これまでにもnumanでは物語を彩る、多彩なキャラクターの魅力や秘密に様々な形で迫ってきました。

甘露寺蜜璃に続き、今回は次なるエピソード・刀鍛冶の里での活躍が大いに期待される霞柱・時透無一郎についてピックアップ致します。

アニメ「鬼滅の刃」公式ポータルサイトより

アニメ「鬼滅の刃」公式ポータルサイトより

鬼殺隊最強の剣士である柱。9人のメンバーの中でも、わずか14歳という年齢で最年少剣士として名を連ねる無一郎。
一見ぼんやりとした彼の、その強さの秘密とは。知られざる彼の魅力に、今回は迫っていきたいと思います。

※本記事は性質上、原作の内容を含みます。

「自分のため」の行動は今を生きるための術だった

毛先が淡い水色に染まった長髪と、体格に見合わぬ大きめの隊服。そして何より彼が司る呼吸・霞のように、ぼんやりとした掴みどころのない性格が特徴的な無一郎。
その物静かで、ともすればやや冷淡な印象を受ける人柄は、最強の剣士という称号とは少し嚙み合わないイメージを受ける人もいるかもしれません。
しかし実は彼のこの性格や言動は、本人も口にしている通り「いろんな事をすぐに忘れてしまう」ことが大きな要因です。
過去のとある事件のせいで、未だ治らない記憶障害を患った無一郎。そのため長期記憶がうまく機能しておらず、「物事を長く覚えていることができない」という大きなハンデを抱える身となっているのです。

初対面の柱号会議や、共闘した刀鍛冶の里での出会い。その際にまだあまり面識のない無一郎に対して、主人公の炭治郎は冷たい印象を受ける人だ、と語っています。
他人との関わりを無駄だと一蹴したり、とにかく最短で結果を出すことに固執したり……そんな彼の振る舞いが、炭治郎を始め多くのファンにも最初は「冷淡な少年」として映ったことでしょう。
ですがこれは「あまりにも短い時間しか記憶のもたない」無一郎が、それでも普通に生活をし、加えて鬼殺隊として結果を出すためには、ある意味で仕方のない振る舞いでした。

数時間前の記憶すら朧げで、今日のことすら明日覚えている確証はない。その中で生きていくために、彼は「今のことは今すべて完結させる」しかなかったのです。

記憶障害というハンデを背負っても、刀を握りたった2ヶ月で柱まで上り詰めた実績。それが彼のあまりにも突出した才能を、何よりも物語っています(もっともこの才能も、彼の明かされたルーツを思えば非常に納得のいくものだったのですが…)。
ただそれでもそんな類稀なる才能以上に、たった数日、数時間しかもたない記憶を、繰り返し覚えることで必死に繋ぎ止めた無一郎の執念じみた血の滲むような努力。その存在を、ないがしろにすることはできません。
他人と関わるより、自分一人でさっさと全部済ませばいい。誰かと関わっている間に自分は何をすべきか忘れてしまうし、目の前の人の名前すら忘れてしまう。

「人のため」という発想を持たないことこそが、記憶の続かない彼なりのこれまでの生きる術でもあったことでしょう。

無一郎が出会った炭治郎の存在

そんな彼の記憶を取り戻すきっかけとなったのが、主人公である炭治郎との交流でした。
鬼殺隊という組織は、往々にして「人のため」に鬼を倒さなければならない、もう自分のように悲しい思いを誰にもさせない、という滅私の心を持つ人々が多い場所です。

その中でも、とりわけ炭治郎は妹・禰豆子や同じ鬼殺隊の仲間、そして時には鬼に対しても慈愛を見せる「人のため」の気持ちが強い人物であることは、皆さんよくご存知でしょう。

記憶障害の為、これまで他人を思う余裕などなかった無一郎。彼自身の身の上を知る人々からすれば、そんな発想を彼に与えるのも難しいことではありました。

ですが彼の過去や記憶のことを知らないからこそ、自分が信条とする「人のため」の行動原理をいつも通り無一郎に話した炭治郎。
結果として、それが記憶を失う前の無一郎の本当の姿--誰よりも「人のため」の行動が、どれだけ尊いものか知っている、本来の彼の姿を取り戻すための、大きなターニングポイントともなったのです。

窮地に陥った際に炭治郎の言葉をふと思い出し、記憶を保てない自分にとって本来なら間違いなく悪手であった「人のため」の行動を取った無一郎。
それが結果として無一郎の命も、さらに失ったはずの記憶すらも救う形となりました。
初めて彼が自らの手で選び取った「人のため」の行動。自分が助けた少年によって、無一郎は文字通り九死に一生を得ます。
その経験が引き金となり、彼は目の前の少年だけでなく、たくさんの人が己に向けてくれた「人のため」によって。今自分が生きて、ここに立っていることをようやく思い出すことができたのです。

彼もまた「人のため」に戦い始める

なぜ自分が今生きているのか、なぜ自分が鬼を狩るための刃を握っているのか。記憶のない彼は、そんな大事なことすら何一つ思い出すことができませんでした。

それゆえとにかく今この瞬間を生きるため、「自分のため」にしか行動できなかった無一郎。
ですが本来の彼は「人のため」に勇気を出せる少年であり、「人のため」に常に戦う鬼殺隊に、誰よりも相応しい存在でした。

いつも自分ではない「人のため」を思っていた父や母、そして最後の最後に命を呈して自分を守ってくれた双子の兄。
自分を慮ってくれた炭治郎や刀鍛冶、鬼殺隊の仲間たち、そして同じ柱であった煉獄。

大勢が自分のために施してくれた「人のため」を受け継いで、記憶を取り戻した彼はまた改めて、今日この日から「人のため」に柱として最後まで戦い抜いていくのです。

(執筆:曽我美なつめ)

テレビアニメ「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編 第1弾PV

■『鬼滅の刃』甘露寺蜜璃に現代女性が共感するわけ。女らしさと自分らしさ、どっちを望む?【鬼滅キャラの魅力】
https://numan.tokyo/anime/gqUJO
■『鬼滅の刃』煉獄杏寿郎が嘴平伊之助を変えた。野生児が"少年"に成長するまで【鬼滅キャラの魅力解剖】
https://numan.tokyo/anime/lySoI
■『鬼滅の刃』冨岡義勇が抱える深い闇…炭治郎との共通点とは【鬼滅キャラの魅力解剖】
https://numan.tokyo/anime/HCpdD

時透無一郎プロフィール

時透無一郎(ときとう・むいちろう)
CV:河西健吾
年齢:14歳
誕生日:8月8日
身長: 160cm
好物:ふろふき大根

鬼殺隊の主軸となる”柱”のひとり。霞柱。
(公式サイトより引用)

TVアニメ『鬼滅の刃』刀鍛冶の里編

【スタッフ】
原作:吾峠呼世晴(集英社ジャンプ コミックス刊)
監督:外崎春雄
キャラクターデザイン:松島晃
アニメーション制作:ufotable

【キャスト】
竈門炭治郎:花江夏樹
竈門禰豆子: 鬼頭明里
我妻善逸:下野紘
嘴平伊之助:松岡禎丞
時透無一郎:河西健吾
甘露寺蜜璃:花澤香菜
※禰豆子の「禰」は「ネ+爾」が正しい表記となります。

「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編 テレビアニメ化決定 PV

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

鬼滅の刃 ポータルサイト:https://kimetsu.com/anime/
公式ツイッター:@kimetsu_off https://twitter.com/kimetsu_off

遊郭編 Blu-ray&DVD情報

テレビアニメ「鬼滅の刃」遊郭編 Blu-ray&DVD第1巻発売告知CM

テレビアニメ「鬼滅の刃」遊郭編 1【完全生産限定版】
2022年2月23日(水)発売
Blu-ray 7,150円(税込) ANZX-16021~2
DVD 6,050円(税込) ANZB-16021~2

収録話数:第一話「音柱・宇髄天元」
2枚組(本編ディスク+特典CD)

【完全生産限定版特典】
■特製三方背ボックス
■ufotable描き下ろしデジジャケット
■特典CD(劇伴音楽集 フィルムスコアリング版)
■蛇腹ブックレット(12P)
■第1巻-第2巻連動「Blu-ray&DVD購入者特典「鬼滅ラヂヲ」動画配信ver.」視聴用シリアルコード
※仕様・特典は変更となる可能性がございます。

IMAGE

numan編集部

声優、アニメ、舞台、ゲームまで!オタク女子のための推し活応援メディア

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合がございます

オタ腐★幾星霜