クリスマスに『呪術廻戦0』を見返してみる。12月24日は夏油たちと思う存分呪いあう日なのだ…！

「来たる12月24日、我々は百鬼夜行を行う…」

『劇場版 呪術廻戦0』で夏油傑が言い放つ一節です。そう、呪術廻戦ファンにとって、12月24日はクリスマスじゃない！　思う存分、呪い合う一日なのだ！！

2021年に全国公開された『劇場版 呪術廻戦0』が、ついにAmazonプライム・ビデオに登場します。今年のクリスマスは自宅でゆっくりとくつろぎながら、乙骨憂太と夏油傑の超絶バトルを観ることができるのです。そこでいま改めて『呪術廻戦0』を振り返ります。

『呪術廻戦』は、「週刊少年ジャンプ」にて2018年から連載中の芥見下々先生による漫画を原作としています。高い身体能力を兼ね備えた高校生の虎杖悠仁が、特級呪物である両面宿儺の指を喰らい、その身に“呪い”を宿したことから、東京都立呪術高等専門学校へと入学。そこで呪術の訓練を受け、宿儺の器として、あらゆる呪霊たちとの戦いに身を投じていく様子が描写されます。

実は筆者は本作を視聴するまで、長らく、アニメ・漫画界隈から少し距離を置いていました。

なかなかドハマりできる作品が見当たらなかったというのが最たる理由ですが、この『呪術廻戦』をたまたまテレビで視聴し、あまりのカッコ良さに夢中になってしまったことから、アニメを視聴し終え、漫画も既刊のものはすべて読了、グッズに散財することも増えてしまうほど、『呪術廻戦』の虜になってしまったのです。

ここまでアニメに熱を上げることは我が人生でも非常に稀なこと…だからこそ声を大にして言いたいのが、『呪術廻戦』は、熱心なアニメ好きでなくとも楽しめる魅力にあふれた、アニメ好きになるきっかけに最適な作品であるということです。

そろそろ映画の話をしろって……？　お待たせしてしまいました。ここからは『劇場版 呪術廻戦 0』の話となります。

本作は、『呪術廻戦』の連載が始まる以前に短期連載された『東京都立呪術高等専門学校』を原作とした、いわゆる『呪術廻戦』の前日譚です。

主人公も本筋のラインとは異なり、特級過呪怨霊・折本里香に取りつかれた内気な少年・乙骨憂太を主人公としています。彼が呪術高専に編入したことから物語が始まっていき、人を避けてふさぎ込んで生きてきた憂太が、高専の同級生や頼れる五条先生らと深い関係を築くことで、自らの存在意義を見出していき成長していく姿が描かれます。

同時に憂太を狙う最悪の呪詛師・夏油傑が現れたことで繰り広げられる呪いで呪いを祓う壮絶なバトルも圧巻の作品となっています。漫画で描写されたものが、しっかりとアニメ化されており、原作コミックを読んだことがある人も、そうでない人にも大変おすすめしたい作品となっているわけです。

率直な感想を言わせてもらえば、本作は面白いという言葉では言い表せないほどに面白い！
実は原作と少し異なる内容になっており、先にアニメを放送し終えているからこそ出せる面白さとサプライズが功を奏した印象を大いに受けます。

原作コミックには登場することのなかった東堂葵や三輪霞といった京都校の面々のサプライズ登場、ゴリラモードへと変化し戦いを繰り広げるパンダ、そしてテレビアニメ1期で語られた七海健人が「黒閃」を4回連続で決めたという“あの”場面までもが登場します。

テレビアニメ1期で印象を残したキャラクターたちの過去をより鮮明に描くことで、キャラクターへの理解がさらに深まる効果をもたらしているのです。

とにかく漫画で描写されたものがしっかりとアニメ化されていますし、この場面をこんな感じに表現するのかと驚いた部分も多かった。

冒頭のテロップとアニメーションを交互に描く演出やクライマックスの乙骨と夏油のバトルシーンにおける映像転換の技法など、通常のテレビ放送ではありえないような手法には目を奪われますし、テレビアニメ版以上に作画が神がかっているのは確かです。

特にバトルシーンにおける“ぬめり”具合には度肝を抜かれたのを憶えています。終始、強烈なインパクトを残す夏油の歯のリアルさったらない…。

また、原作コミックが全4話構成であることから、非常にスムーズに乙骨の成長と仲間との絆を描き切り、禪院真希、狗巻棘、パンダといったキャラクターそれぞれにしっかりと見せ場も存在します。

今回初登場となった乙骨憂太は魅力あるキャラクターへと昇華させている印象で、何より『エヴァンゲリオン』シリーズの碇シンジ役で有名な緒方恵美さんの声が、乙骨にピッタリ！
原作の芥見下々先生もキャスティングが発表された当時、ご自身も「エヴァ」のファンであることから喜びを爆発させていたのも印象深く、まさに打ってつけのキャスティングだと言えるでしょう。

そして何と言っても五条悟は、包帯アイマスクになろうが、サングラス姿になろうが、マスクを外そうが、どこをとっても相変わらずカッコ良い！　五条推しにとっては“眼福シーン”の連続であります！

2023年7月より放送開始が予定されているテレビアニメ2期以降の物語を左右する重要な要素で構成された『劇場版 呪術廻戦 0』。エンドロール後にも見逃せない映像があるため、画面が暗くなっても絶対に停止ボタンを押さないようにしましょう！

（執筆：zash）