アニメ『あんスタ』第12話感想 "革命"の終わり――胸熱な展開に「もう最高…」「ありがとう…」涙と感謝の声

アイドル育成ゲーム『あんさんぶるスターズ!』(以下『あんスタ!』)ついに待望のTVアニメ化!

男性アイドル育成に特化した私立夢ノ咲学院に君臨する生徒会。そんな学院に革命を起こそうと立ち上がった氷鷹北斗・明星スバル・遊木真・衣更真緒の4人と、学院唯一の女子生徒でプロデューサーでもある転校生、あんずの出会いからはじまる物語です。

『DDD』決勝進出を決めたTrickstar。彼らの対戦相手を決める準決勝の第2戦では、UNDEADとfineが激突! 北斗の決断は? そしてTrickstarの“革命”は……。
※ネタバレを含む場合もあります。未視聴の方はご注意ください。

第12話「決着」ダイジェスト

『DDD』準決勝・第2戦「UNDEAD vs fine」が開幕! 数々の競合ユニットに勝負を挑まれ連戦が続いたfine天祥院英智(CV:緑川光さん)は、パフォーマンスを終えるも立っているのがやっとの状態でした。そんな英智を見て、朔間零(CV:増田俊樹さん)「圧政に苦しめられた我らからの返礼」と不敵に笑います。

控室でひと息つくRa*bitsの面々と、遊木真(CV:森久保祥太郎さん)、衣更真緒(CV:梶裕貴さん)、そしてひとり楽曲を聴きながら集中力を高める明星スバル(CV:柿原徹也さん)。結局、DDDの中で一度も北斗を見かけていないことを真緒は心配しますが、そのときあんず(CV:坂本真綾さん)のスマートフォンに、北斗からのメッセージが……。

準決勝第2戦の結果は、fineの勝利。続く決勝戦で、ついにTrickstarfineと直接対決することに。
意気揚々と舞台に上がるスバルですが、そこに北斗がいないことを英智に問いただします。英智がスバルたちの視線をうながした先には、Trickstar衣装に身を包んだ北斗の姿がありました。

決断が遅くなったことを詫びつつも「俺はTrickstarだ」と力強く宣言する北斗を喜んで迎え入れるスバル、真、真緒。
そのやり取りを見ていた英智は、北斗がサインしたfineへの加入申請書を破り捨てるのでした。

決勝戦では、Trickstarの面々とfineの面々がそれぞれ1対1で対決! その後、Trickstar楽曲『HEART→BEATER!!!!』を披露し、全力を出し切ってステージに倒れ込みます。しかし投票の結果は、なんとfineの勝利。

落胆するTrickstarですが、得票数の差がほとんどないため、DDDの規定により延長戦が行われることが明らかに……!

第12話の見どころはココ!

UNDEAD vs fine!

夜闇の魔物たるUNDEADと、天上の調べを奏でるfineの対決。ステージが始まる前のお互いへの挑発もドキドキしましたし、どちらのライブシーンも、少しですが見られて良かったですね!

体力の限界が近づきつつある英智は、自分を支え続ける姫宮桃李(CV:村瀬歩さん)伏見弓弦(CV:橋本晃太朗さん)も無理をしていることにも気づいていました。だからこそ、UNDEADを前に毅然と「下剋上などない」と言い切るのですが、興味深いのはそんな英智の悲壮な決意をかたわらで見守る日々樹渉(CV:江口拓也さん)の存在。

英智に「北斗に余計なことをした」と指摘されると、渉は「流星隊の千秋くんが後輩のためにやったように、演劇部部長の私もかっこつけたくなった」と白状しつつも、「あなたの望んでいた展開なのではありませんか?」と、悪びれずに英智に返しました。

エレメントを経て、英智自身も革命家であること、渉は英智の物語の中で最重要ともいえる“登場人物”であったこと、そして渉がそれを自覚した上で“脚本通りに”行動したことが明らかになっています。

その渉が、英智の思惑から外れた行動を取ったこと、そしてそれすらも英智の望んだ展開であると示唆することは、五奇人だったはずの渉がfineに所属していることも含め、大きな意味があるように感じました。

また準決勝敗退後、「朔間さんのためじゃないから」と帽子を客席へ投げ女の子の歓声を浴びる羽風薫(CV:細貝圭さん)や、暴れたりないと騒ぐ大神晃牙(CV:小野友樹さん)、その首根っこをつかんでステージを去ろうとする乙狩アドニス(CV:羽多野渉さん)の姿を見て、「いつも楽しそうでうらやましいよ」と皮肉を言う英智。

しかしその言葉を聞き逃さなかったスバルは「あんたは楽しくないのか?」と問いかけます。英智は返答を濁しますが、これも、スバルと英智がそれぞれ目指す“アイドル”を考える上で、重要な問いかけだったと思います。

おばあちゃんからの手紙

Trickstarの衣装を着て現れた北斗。その心を後押ししたのは、渉に手渡された“おばあちゃんからの手紙”でした。
「誰かの言いなりになる必要はない、したいことをすべき」大好きなおばあちゃんが味方でいてくれると知った北斗は、ようやく両親の呪縛を乗り越え、Trickstarとして戦う決意ができたのでした。それにしても子ども時代の北斗、何度見ても可愛いですね……。

そんな北斗の告白を聞き、遅いぞコンニャロ! とパンチを決めるスバルに、変なスイッチが入ってネガティブ思考を垂れ流す北斗。真と真緒はあわてていましたが(笑)、こんなふうにバカ騒ぎをしている4人を見るのが嬉しすぎて、心の底から「おかえりホッケ~!」と言いたくなりました。

そしてそんなTrickstarを見ていた英智が、北斗の書いた“契約書”を破り捨てるのも感慨深いんですよね。
かつて、ずっと一緒にいられたはずの友人と“契約”のとおり別れてしまった英智。その彼が、生徒会長の権限でもって契約書を破棄し、北斗を自由にしたのです。人の思いや友情は契約書で思いどおりにできるものではないと、今の英智は知っているのかもしれません。

謎の個人対決!?

これまでのDDDと違い、決勝戦には個人戦があり、Trickstarfineがそれぞれ第4ターンまで対決したのですが……これがかなりの謎対決(!)でした。

真緒と渉はパフォーマンス対決のようですが、ブレイクダンスを披露する真緒に対し、渉はひとりでいくつもの楽器を背負い、さながら大道芸人のよう。
続く北斗と弓弦は“真面目対決”とも言うべき組み合わせでしたが、弓弦が北斗の選択を「あなたの主人は、あなた自身の心」と好評価したのは意外でした。

第3ターンは、わちゃわちゃとステージ上で小競り合いする真と桃李。
これはどう見ても、可愛さ対決ですね。観客には、アワアワと真を見守る瀬名泉(CV:伊藤マサミさん)の姿が……(笑)。そして最後は英智とスバルの対決。皇帝として立ち塞がる英智と、革命を成し遂げる決意を語るスバルを、めくるめく星のエフェクトが飾っていました。

ギャグっぽさもありましたが、楽しそうに笑うスバルの表情を見ながら「もうここまできたらfineTrickstarも、己の力を出し切って楽しむだけなんだろうな」と感じます。

ライブシーンは『HEART→BEATER!!!!』

そして決勝のライブシーンは、Trickstar『HEART→BEATER!!!!』。暗いステージに、光る衣装が浮かび上がってビックリ! 「トリスタの衣装、光ってる!?」「これあんずちゃんが縫ったの?すごい……」などのコメントがSNSにズラリと並びました。

大切な仲間とパフォーマンスできる喜びを、ステージを縦横無尽に駆け回って表現するTrickstar。歌詞の素晴らしさも相まって、これまでの物語が一気に押し寄せてくるような感動のライブシーンでした!
感極まった視聴者から「ありがとう」「もう最高」「いい最終回だった(2クールだけど)」の声が上がっていましたね……。

スバルの問いかけ、英智の答え

Trickstarの輝きを満足気に受け止める英智。パフォーマンスを終えたスバルは、「どうしてDDDなんて開催したんだ?」と英智に問いかけます。DDDがなければ、fineは労せずともSSの代表だったはずなのです。

英智は、静かに微笑みます。奇跡を、運命を覆すTrickstarの輝きを見てみたかったのかもしれない、と。
「もしもこの世に奇跡があるのなら」「僕もこの運命を愛せるかもしれない」……自身の体の弱さ、運命を呪ってきた英智。

「愛だけではアイドルになれないけれど、愛がなければその資格はない」
「僕はね、ただ単に、アイドルになりたかったんだ」

その英智の言葉を聞いたスバルは、「俺も、本当の意味でのアイドルになりたい」と、英智の気持ちに理解を示しました。そしてこう続けるのです。「夢ノ咲学院アイドル科の誰もがそうだ……あんたも俺たちと同じじゃん!」

多くの生徒を踏みにじったことを自覚している“皇帝”の英智に“俺たちとおんなじ”と言い放つスバルの笑顔の眩しさといったら……。何をしてきたかではなく、「アイドルになりたい」というたったひとつ思いで、スバルは英智を全肯定したのでした。

アンコールの際も、舞台から去ろうとするfineを呼び止め、英智からいろいろ教わりたいと言うスバル。
英智は「宿敵にさえ教えを請い、手を差し伸べられるのが君たちの強さ」Trickstarを讃え、「僕も君たちのように強くなる」「今度は何度でも魂を燃やし尽くすような勝負をしよう」とスバルに言いました。

嬉しそうにうなずくスバルと英智は、握手を交わします。「君たちに会えてよかった」――同じ「アイドルへの思い」を抱いていることを確認しあった彼らが、“倒すべき敵”ではなく、ともに高みを目指す仲間になれた瞬間でした。

“革命の季節”の終わり

優勝ユニットのアンコールを「みんな一緒に歌おうよ」と提案するスバル。
激戦を繰り広げたユニットが一同にステージに会し、『ONLY YOUR STARS』を歌います。そんなアイドルたちの姿を、英智は舞台袖から満足げに見つめていました。そこへ「歌わないんですか、英智くん」と背後から声がかかります。

現れたのは、青葉つむぎ(CV:石川界人さん)でした。楽しそうな歌声に誘われて、と夏目・宙とともにユニット衣装に身を包んで照れくさそうに笑いつつ、優しく英智を労います。「君ってやつは……」と困ったような笑顔を浮かべる英智の背を、つむぎが押して一緒にステージへ――。

ここでひとつの幕をおろしたのは、Trickstarの革命の物語だけではなく、英智の革命の物語でもあったのだと分かる象徴的なシーン。革命の季節が終わり、夢ノ咲学院の新しい時代がいよいよ始まるのです。

第13話は総集編「振り返りスペシャル」!

まだ登場していない学院の生徒たち、他校の学生たち……その中には「旧fine」に所属していたメンバーの姿も! 彼らに出会えるお話が今から楽しみですね。

第13話は、「振り返りスペシャル」。これまでの物語や気になるキャラクターやユニットのことをしっかりおさらいしちゃいましょう♪

執筆:森本マリ

アニメ『あんさんぶるスターズ!』情報

★INTRODUCTION
男性アイドル育成に特化した私立夢ノ咲学院。
氷鷹北斗・明星スバル・遊木真・衣更真緒の4人は『Trickstar』というユニット
を組み、トップアイドルを目指し、日々レッスンに励んでいる。
しかし、夢ノ咲学院が主催するアイドルたちがお互いの魅力を競いあうライブイ
ベント、通称『ドリフェス』は、学院の秩序という名の権力に支配されていた。
その中心となる生徒会に、『Trickstar』 は改革を求めて挑んでいく―――

★放送情報
TOKYO MXにて7月7日(日)22時30分より
サンテレビにて7月7日(日)24時30分より
KBS京都にて7月7日(日)23時00分より
テレビ愛知にて7月7日(日)26時05分より
BS11にて7月9日(火)24時00分より

※放送日時は変更になる場合がございます。

★STAFF
原作:Happy Elements(カカリアスタジオ)/
監督:菱田正和/
シリーズディレクター:ソエジマヤスフミ/
シリーズ構成:日日日/
チーフライター:猪爪慎一/
キャラクター原案:Happy Elements(カカリアスタジオ)/
キャラクターデザイン:飯塚晴子・下谷智之・長田絵里/
美術監督:山根左帆/色彩設計:鈴木依里/
3D監督:日下大輔/撮影監督:上條智也/
編集:長谷川 舞/
音楽プロデューサー:桑原 聖/
音楽:加藤達也/
音響監督:濱野高年/
アニメーション制作:david production

★CAST 
<Trickstar>氷鷹北斗:前野智昭/明星スバル:柿原徹也/遊木 真:森久保祥太郎/衣更真緒:梶 裕貴
<fine>天祥院英智:緑川 光/日々樹 渉:江口拓也/姫宮桃李:村瀬 歩/
伏見弓弦:橋本晃太朗<紅月>蓮巳敬人:梅原裕一郎/鬼龍紅郎:神尾晋一郎/神崎颯馬:神永圭佑
<UNDEAD>朔間 零:増田俊樹/羽風 薫:細貝 圭/大神晃牙:小野友樹/乙狩アドニス:羽多野 渉
<Knights>月永レオ:浅沼晋太郎/瀬名 泉:伊藤マサミ/朔間凛月:山下大輝/鳴上 嵐:北村 諒/朱桜 司:土田玲央
<流星隊>守沢千秋:帆世雄一/深海奏汰:西山宏太朗/南雲鉄虎:中島ヨシキ/
高峯 翠:渡辺拓海/仙石 忍:新田杏樹<Ra*bits>仁兎なずな:米内佑希/天満 光:池田純矢/真白友也:比留間俊哉/紫之 創:高坂知也<2wink>葵 ひなた:斉藤壮馬/葵 ゆうた:斉藤壮馬
<Valkyrie>斎宮 宗:高橋広樹/影片みか:大須賀 純
<Switch>逆先夏目:野島健児/青葉つむぎ:石川界人/春川 宙:山本和臣
<MaM>三毛縞 斑:鳥海浩輔<Eden>乱 凪砂:諏訪部順一/
巴 日和:花江夏樹/七種 茨:逢坂良太/漣 ジュン:内田雄馬
<教師>佐賀美 陣:樋柴智康/椚 章臣:駒田 航

TVアニメ「あんさんぶるスターズ!」公式サイト
ensemblestars-anime.com/

TVアニメ「あんさんぶるスターズ!」公式Twitter
@stars_animation

©Happy Elements K.K/あんスタ!アニメ製作委員会

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numan編集部

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