アニメ『あんスタ』第10話感想 かつての革命物語――謎のデバイス"英智くんゲージ"にじわる「自分で言うなw」「意外にシリアスw」

アイドル育成ゲーム『あんさんぶるスターズ!』(以下『あんスタ!』)ついに待望のTVアニメ化!

男性アイドル育成に特化した私立夢ノ咲学院に君臨する生徒会。そんな学院に革命を起こそうと立ち上がった氷鷹北斗・明星スバル・遊木真・衣更真緒の4人と、学院唯一の女子生徒でプロデューサーでもある転校生、あんずの出会いからはじまる物語です。

苦悩する北斗の前に現れた渉。そんな彼らを学院の屋上から見ている3人がいました。北斗のfine移籍を聞き、“元fine”の青葉つむぎは過去に思いを馳せます。そんな第10話を振り返ります!
※ネタバレを含む場合もあります。未視聴の方はご注意ください。

第10話「エレメント ~前編~」ダイジェスト

Trickstarからfineへの移籍について、思い悩む氷鷹北斗(CV:前野智昭さん)。彼の嘆きに応えて空から現れたのは、fineのメンバーで、北斗の所属演劇部部長でもある三奇人・日々樹渉(CV:江口拓也さん)でした。

そんな2人の姿を、屋上から見る逆先夏目(CV:野島健児さん)、青葉つむぎ(CV:石川界人さん)、春川宙(CV:山本和臣さん)の3人。北斗の移籍は英智に認められているからだと感心するつむぎですが、夏目はそれに難色を示します。ーーつむぎは、“元fine”だったのです。

1年前の夢ノ先学院は荒れ果て、芸能界での評価も地に落ちかけていました。そんな中、生徒会室の入り口で蓮巳敬人(CV:梅原裕一郎さん)と口論する天祥院英智(CV:緑川光)の2人に、蔵書整理の仕事を請け負いに来た図書委員のつむぎが鉢合わせます。

図書館への道すがら、海外帰りの朔間零(CV:増田俊樹さん)と親しげに話すつむぎを見た英智は、つむぎの蔵書整理を手伝いつつ、敬人と学院の今後についての話していたこと、日々樹渉・朔間零・深海奏汰を“三奇人”として祀り上げる構想に行き着いたことなどを明かします。

そこでつむぎから人数を増やしてはどうかという提案を受けた英智は、“五奇人”にすることを決め、つむぎの人脈を見込んで残る2人の推薦を依頼しました。

つむぎは、すでにValkyrieとして活躍している斎宮宗を推薦。後日、図書館作業の一環で偶然再会した幼少期の知り合いである夏目の名を挙げます。英智は迷わずこの提案を採用し、英智自身もアイドルユニットを作りたいからと、さらに人選を手伝ってほしいとつむぎ持ちかけました。

それからほどなくして、学院の話題は“五奇人”一色に。
学院を代表するトップアイドルとしてもてはやされる一方、彼らに活躍の場を奪われていると生徒たちの不満が募りはじめていました。そんな状態を懸念するつむぎですが、英智は「まだ序章に過ぎない」とほほえみます。

戸惑うつむぎに、自身のユニットで五奇人を倒すと宣言する英智。つむぎが推薦した乱凪砂、巴日和に加え、まとめ役として「君が必要なんだ」と、つむぎにユニット加入契約書を差し出します。

「僕たちで夢ノ先学院に革命を起こそう。このユニット『fine』が古き時代を終わらせるーー」

第10話の見どころはココ!

宙、夏目、つむぎ、それぞれの立場は?

屋上から渉の登場を目撃し、無邪気にはしゃぐ宙と、あれは魔法だと言い切る夏目。あのド派手な飛行船(気球?)と渉の奇行について、あまり驚いている様子がありません。つむぎも「相変わらずやることが派手ですね~」と言いながらもニコニコしている程度。

さらに、この日はDDD当日。ほとんどの生徒が参加してお祭り騒ぎなうえ、多くのユニットがTrickstarに力を貸しているはずですが、彼らはそうした学院の情勢から無縁に見えます。夏目たちが、Trickstarの革命をどのように見ているのかが気になりますね。

英智と敬人の関係って?

英智と敬人は幼なじみなのだそう。しかし「連絡先などは知らない、代々蓮巳くんちのお寺に葬儀を頼んでいるだけ」と英智。しかもつむぎの前ではなぜか敬人と呼ばず、「蓮巳くん」と呼んでいました。
また、敬人の制服にバッジがついていることから、この頃から生徒会役員なのだとわかります。

一方、英智は会長どころか役員ですらない様子。1年後の敬人があくまでも英智の名代として動いていたことを考えると、この時期に敬人だけが生徒会にいること、英智が敬人と距離があるように振る舞っていることにも理由がありそうです。

時間をかけて生徒の支持を得てから改革をすすめるべきだと主張する敬人と、革命への切望に一気に火をつけるべきだと訴える英智。2人の意見は食い違っていながらも、“三奇人”の構想などは共有しているようですが……。

知ってる朔間零と違う!

図書館を目指すつむぎと英智に声をかけてきたのは零……のはずですが、なんだか、知ってる零とずいぶん雰囲気が違いますね……? 言葉遣いも態度もまるで別人です。なかなかオラついた感じですが、カッコいいじゃないですか……。

いやいや、待って! カッコいいけど、「全身お兄ちゃんじゃよ」の零と同一人物ですかーーーー!? さらにニューヨークの姉妹校から帰ったばかりで、明日は上海に行くというグローバルっぷり。さらに零の制服に光るのは、生徒会役員のバッジでは!?

零と親しげに話すつむぎですが、「畏れ多い」と言っていることから、零はこの頃から学院内でも際立った存在だったはず。どうして現在とこうも違うのか、気になりすぎます……。

三奇人=「三貴子」

“三奇人”は学院内で自然発生的に誕生したものではなく、日本神話の「三貴子」にならい、アマテラスに渉、スサノオに深海奏汰、ツクヨミに零を据えて徹底的に祀り上げるという、英智と敬人が意図的に作り出した構造でした。

さらに、3人があまりにも“三奇人”としてピッタリすぎることに懸念を抱いた英智が、ほころびを生ませるために敢えて“五奇人”にすることを決め、斎宮宗と夏目が加えられたことも判明。

結果として、宗が倒されたことが“fine”の台頭に拍車をかけたこと、現在も“三奇人”が学院の中で健在であることなどを思えば、英智の懸念は的確だったと言えそうです。

「英智くんゲージ」ってなに?

つい先日まで入院していたという英智の腕には「英智くんゲージ」なるデバイスが。
活動していると数字が減っていって、0に近くなると家に連絡が行き「回収」される……ものすごく最先端技術な気がしますが、英智が自分で「英智くんゲージ」って言っちゃうのが面白い(笑)。SNSでも「自分で言うな」「じわじわくる」などの感想が見られましたね。

しかし、そこまで手厚い保護をされていることすら「跡取りに万一のことがあってはならないから」「愛ではない」と言い切ってしまう英智の言葉を聞くと、彼が如何に自分を客観視しているか、そしてどれほど体の弱さを呪っているかが伝わってきて切なくもなります……。

彼が革命を急ぎ、強硬な手段に出るのは、その病弱さゆえの焦燥や、家に対して明確な形で結果を出すことの重要性が影響しているのかもしれません。

渉に焦がれる英智の姿…

屋上で演劇の練習をする渉を、羨望の眼差しで見上げる英智。英智は、渉に強い憧れを持っているようです。英智にとって“五奇人”である渉は革命のための布石であり、討伐対象でもありますが、五奇人を倒せば、学院のトップとして君臨する渉にも並び立てます。

「会いに行くよ、君に……どんな手を使っても」。今は手の届かない存在である渉。彼との距離を埋めたいと切望する英智にとっては、むしろ革命のほうが渉に近づくための“手段”なのではないかと思わされるセリフでした。

天才”美少女”なつめちゃん♪

夏目が女装していたことをつむぎが思い出すシーンでは、完全に“可愛い女の子”にしか見えない夏目の幼少期が描かれ、SNSが大騒ぎに!

一時は「夏目ちゃん」がトレンド入りするほど、ファンの皆さんの動揺が見られました(笑)。突如現れた天才美少女として語り継がれていたというのも納得の夏目の「黒歴史」、可愛かったですね!

一方のつむぎは当時「いけ好かないやつ」だったらしく、その頃とずいぶん印象が変わったと夏目は言います。
家庭に苦労があったことを笑顔でサラッと話し、君とまた仲良くなりたいと言うつむぎ。夏目はやんわり遠ざけようとしていましたが、つむぎにはまったくそれが伝わっていない様子……。

「理解している!」(していない)

「マリオネット」の中の演劇シーンで、まさかの棒読み演技を披露した1年生の北斗。今回はそれより前、演劇部入部時のエピソードが描かれていました。

「見た目は王子みたいに凛々しいですが、正直なところあなたに演技の才能はまったくありません」と渉に門前払いを食らう北斗ですが「理解している!まずは厳しいことを言ってこちらの反応を探ったのだろう?」とドヤ顔で返します。
まさかの反応に「いえ普通に罵倒したんですけど……」と、呆れる渉。

この頃は、天然ボケの度が過ぎる北斗に、渉のほうがお手上げ状態だったようですね(笑)

つむぎと英智

自らが選び、学院のトップアイドルとして祀り上げた“五奇人”を、自らのユニットで倒す。突出した才能を持つ天才でなくとも輝けることを証明し、学院のシステムを根本的に変える――そんな英智の“夢”を聞かされたつむぎは、fineに入ることを承諾します。

零も夏目もつむぎにとっては親しい存在のはずなのに、なぜ英智の側につくことにしたのでしょう。

英智がつむぎを“利用している”ことは明らかです。実際、英智はつむぎの人脈を「利用価値がある」と発言していて、つむぎもそれを聞いています。にもかかわらず、まるでそのことを悪く思っているように見えません。

英智に頼られるたび「俺で良ければ」と応え、ありがとうと言われるたび嬉しそうに笑う……つむぎは、英智に必要とされることを心から喜んで、素直に力を貸していました。零が「誰かのために動いてばっかいるなよ。お前、やれば出来る子なんだからな?」と言ったのは、そんなつむぎの性質を知っていたからこそでしょう。

きっとつむぎは、英智の口車や計略に乗せられたのではなく、自分を必要としてくれる“友だち”の力になりたい、英智の夢を一緒に叶えたいと自ら願ってfineに加入したのだと思うのです。

第11話は「エレメント ~後編~」

つむぎの加入で、4人となったfine。彼らが五奇人のひとりである宗を倒したことは、マリオネットですでに語られています。そして現在、生徒会長として英智を擁する生徒会は、絶対的な権力を誇っています。つまり英智の革命は、成されたはずなのです。

それならなぜ、fineのメンバーは全員変わっているのでしょう。冒頭で「英智くんは元気でしょうか」とつぶやいたつむぎは、英智とはもう交流がないということなのでしょうか。五奇人だった夏目とfineだったつむぎ、三奇人の渉と英智がなぜ一緒にいるのでしょう……?

いよいよfineが始動する第11話は、9月15日放送です!

第10話 登場キャラクター紹介

・青葉つむぎ
3年生。母親が経営するダンス教室に通っていた夏目と出会っており、夏目曰く、幼少期は「いけ好かないやつ」だったそう。母親の破産や離再婚を通して変わったとのこと。真面目で人の頼みを断れない性分のようですが、それゆえ人脈が広いようで、海外を飛び回る零から「学院の様子を聞かせて」と頼まれるほど。元fineのメンバー。

・春川宙
夏目のことを「ししょ~」呼ぶ1年生(?)。渉の飛行船にも動じず、「あれは魔法ですか?」と夏目に無邪気にたずねていました。それ以外のことについてはまだ詳しくわかりません。

アニメ『あんさんぶるスターズ!』情報

★INTRODUCTION
男性アイドル育成に特化した私立夢ノ咲学院。
氷鷹北斗・明星スバル・遊木真・衣更真緒の4人は『Trickstar』というユニット
を組み、トップアイドルを目指し、日々レッスンに励んでいる。
しかし、夢ノ咲学院が主催するアイドルたちがお互いの魅力を競いあうライブイ
ベント、通称『ドリフェス』は、学院の秩序という名の権力に支配されていた。
その中心となる生徒会に、『Trickstar』 は改革を求めて挑んでいく―――

★放送情報
TOKYO MXにて7月7日(日)22時30分より
サンテレビにて7月7日(日)24時30分より
KBS京都にて7月7日(日)23時00分より
テレビ愛知にて7月7日(日)26時05分より
BS11にて7月9日(火)24時00分より

※放送日時は変更になる場合がございます。

★STAFF
原作:Happy Elements(カカリアスタジオ)/
監督:菱田正和/
シリーズディレクター:ソエジマヤスフミ/
シリーズ構成:日日日/
チーフライター:猪爪慎一/
キャラクター原案:Happy Elements(カカリアスタジオ)/
キャラクターデザイン:飯塚晴子・下谷智之・長田絵里/
美術監督:山根左帆/色彩設計:鈴木依里/
3D監督:日下大輔/撮影監督:上條智也/
編集:長谷川 舞/
音楽プロデューサー:桑原 聖/
音楽:加藤達也/
音響監督:濱野高年/
アニメーション制作:david production

★CAST 
<Trickstar>氷鷹北斗:前野智昭/明星スバル:柿原徹也/遊木 真:森久保祥太郎/衣更真緒:梶 裕貴
<fine>天祥院英智:緑川 光/日々樹 渉:江口拓也/姫宮桃李:村瀬 歩/
伏見弓弦:橋本晃太朗<紅月>蓮巳敬人:梅原裕一郎/鬼龍紅郎:神尾晋一郎/神崎颯馬:神永圭佑
<UNDEAD>朔間 零:増田俊樹/羽風 薫:細貝 圭/大神晃牙:小野友樹/乙狩アドニス:羽多野 渉
<Knights>月永レオ:浅沼晋太郎/瀬名 泉:伊藤マサミ/朔間凛月:山下大輝/鳴上 嵐:北村 諒/朱桜 司:土田玲央
<流星隊>守沢千秋:帆世雄一/深海奏汰:西山宏太朗/南雲鉄虎:中島ヨシキ/
高峯 翠:渡辺拓海/仙石 忍:新田杏樹<Ra*bits>仁兎なずな:米内佑希/天満 光:池田純矢/真白友也:比留間俊哉/紫之 創:高坂知也<2wink>葵 ひなた:斉藤壮馬/葵 ゆうた:斉藤壮馬
<Valkyrie>斎宮 宗:高橋広樹/影片みか:大須賀 純
<Switch>逆先夏目:野島健児/青葉つむぎ:石川界人/春川 宙:山本和臣
<MaM>三毛縞 斑:鳥海浩輔<Eden>乱 凪砂:諏訪部順一/
巴 日和:花江夏樹/七種 茨:逢坂良太/漣 ジュン:内田雄馬
<教師>佐賀美 陣:樋柴智康/椚 章臣:駒田 航

TVアニメ「あんさんぶるスターズ!」公式サイト
ensemblestars-anime.com/

TVアニメ「あんさんぶるスターズ!」公式Twitter
@stars_animation

©Happy Elements K.K/あんスタ!アニメ製作委員会

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numan編集部

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