『ポケモン』から学んだ“好き”を貫く大切さ。多様性の時代にあの言葉が響く

幼いころから大人なるになるまで、ずっと私たちの身近にある漫画やアニメ。
キャラクターが発した台詞が心から離れない、という経験をした人は多いのではないでしょうか。

作品の“名言”を振り返る本シリーズ。
今回は1996年より発売され、いまや全世界での人気を誇るゲーム『ポケットモンスター』シリーズから心に響いたフレーズをご紹介します。
セーラームーンを筆頭に、90年代コンテンツを愛する小川満鈴さんに影響を与えた言葉とは?

DVD『ポケットモンスター金銀編 第1集 第1巻』

DVD『ポケットモンスター金銀編 第1集 第1巻』

via DVD『ポケットモンスター金銀編 第1集 第1巻』
「つよいポケモン よわいポケモン そんなの 人のかって ほんとうに つよい トレーナーなら
好きなポケモンで かてるように がんばるべき」

これは1999年に発売されたゲーム『ポケットモンスター金・銀』の中に出てくるセリフです。
ものすごく素敵なことを言っているのではありますが、この言葉の中には明らかな矛盾のようなものも含まれているのにお気づきになるかと思います。
ただし、確かに人間というのはアレコレ、誰が好きっていうから、誰が使っているから、だけでなく、自分が本当に素敵、良いと思ったものを大事にし続ければその人だけの価値になるという意味にも取れます。

今の時代、メディアに流されて、次々に流行りが生まれては消えていきます。それに左右されないで生きること、選ぶことの大事さも教わりました。

好きなものを貫くことの大切さ

私は例に漏れず幼少期の頃からポケモン大好きで、ゲーム以外のグッズも結構集めているのですが、人生にとっての大事なことをポケモンから学んだなあ……と振り返ることが結構あります。
今回はその一つであります、「あるセリフ」をご紹介させていただきます。これは『ポケットモンスター金・銀』の中に出てくるセリフです。

「つよいポケモン よわいポケモン そんなの 人のかって ほんとうに つよい トレーナーなら
好きなポケモンで かてるように がんばるべき」

これには当時胸を打たれた気がしました。セリフのままではありますが、つまりは「自分の好きなものをずっと貫いていればきっと人とは違った自分だけの素敵なものを得ることができる」的な意味を持ったセリフですよね。

とはいえ……。先に一つ言っておいてしまいますと、これは大人の事情的な話になってしまいますが、そんなセリフを言っている『ポケットモンスター』って、結局は「最強ポケモン!」とか「このわざが強い!」という部分を避けて好きなポケモンだけ育成していてもクリアできなかったりするのですけれどね……。世の中って非情でして、結局は「強い」=「人気」=「正義」になってしまう……。

と、なんだかネガティブになってしまいましたが、一旦メルヘンな世界にお話を戻します。

『ポケットモンスター 金 専用ダウンロードカード特別版』

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今の時代、好きなものってすごく多様化しているようで実はみんな同じだったりする不思議な時代だと私は思っているんです。

個性が大事。なのに流される時代?

漫画でもアニメでも音楽でもそうですよね。みんながいいって言うから自分も見る、聞く。商品のレビューでも星が5つだから買う。のように、みんなが個性が大事なんて言っているのに結局は誰かの真似をして安心している。

人間というのは古代から「集団行動」をすることで安全を確保し生活してきた生物ですのでそれは半分は仕方ないとは思います。が、あまりにもメディアや誰かの意見にあっさりと同調しすぎてはいないでしょうか?

悪いわけではないのですが、何かのスイーツが流行ればメディアはどこもかしこも同じことを騒ぐ。そしてそのスイーツを「一生食べます!」なんて過剰に持ち上げる人をフィーチャーして、そして結局は数ヶ月でもう忘れている……。
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私は自分がすごいとは全く思いませんが、幼少期の頃からずっと『セーラームーン』が大好きで、本当に一度もブレたことがありません。なので今までに累計すると数千万円をかけてグッズを集めていまして、今は日本一のコレクターだと言われるようになりました。

でもこれは自分にとっては当たり前でして、逆にどうしてみんなすぐに新しいものに影響されて、あれだけ好きだと言っていたものを簡単に忘れたりなくしたりしてしまうのだろう?ということだけなんです……。

好きだった気持ちを否定したくない

政治家でも選挙でも結婚でも、あれだけ好きと言っていたり、公約を掲げたり誓いを立てたのにすぐにそれを捨ててしまう。私はこういう感覚って、言い換えると過去の自分の大切な時間を否定しているのと同じだと思ってしまうんですよね。
もちろん時代は常に変わっていきますし、どんどん素敵なものを吸収するのも大事です。

でも、今回のこのセリフのように、自分が好きだ!と思った人やモノ、気持ち、行動なのだったら限界までそれを貫くといつの間にかこれが「個性」になって、自分がその世界で大きな存在になれる、なっていると言い切れます。

あの時好きだった気持ち。ずっと大事にしてほしいな。

(執筆:小川満鈴)

小川満鈴(おがわ・みな)さん プロフィール画像

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<小川満鈴(おがわ・みな)プロフィール>
子役経験を経て、2016年に結婚。
現在は連載コラムなどライター業を中心に活動中。
また、日本一のセーラームーングッズコレクターでもある。
■おがわんセーラームーングッズコレクションサイト(随時更新中):
http://ogawansailormoon.versus.jp/ogwansailormoon/sailormoontop.html
■Instagram:@ogawa_mina03
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numan編集部

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