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第3回「台湾はアジアBLの先駆者かもしれない」ドラマPDに聞く台湾BLドラマ制作の裏側~アニタ・ソンさんインタビュー

空前のBLドラマブームともいえる現在、中でもいち早く世界に向けてBLドラマを売り出していったのは実は台湾。

台湾BLドラマの金字塔ともいわれる『HIStory』シリーズや、日本でも人気の高い『We Best Love』シリーズの買付を担当し、
『Be Loved in House 約・定~I do』、
『隔離が終わったら、会いませんか?』、
『正負之間~Plus & Minus』と

3作品のBLドラマでプロデューサーを務めたアニタ・ソン(宋鎵琳)さんのインタビュー第3回をお届けします。
豪華なゲスト出演の話題や台湾でのBLドラマの位置づけや、BLドラマあるある?な制作の裏側のお話を伺いました。

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豪華なゲスト出演にも注目! ファンには嬉しいサプライズ

──『正負之間』では、豪華なゲスト出演も話題になりました。『約・定』の金石CP(アーロンさんとハンクさん)が離婚寸前のカップルという役回りで再び共演したり。

アニタ・ソン(以下、同) 台湾では同性婚も認められていますし、離婚弁護士という職業を取り上げるなら、同性婚を扱ってみたいと思っていました。
性格がかなり違う2人だから、結婚しても喧嘩ばかりになりそうじゃないですか(笑)。
それなら離婚を考えてもおかしくない。

でも二人とも出演を快諾してくれてすごく感謝しています。撮影現場でもとても雰囲気が良くて、息があっているせいか撮影もすごく早く終わったんですよ。

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▲『正負之間』場面カットより。小東(アーロンさん)、阿瀚(ハンクさん)として特別出演。
──『隔離』のお二人も警官役で出てらしたり。

はい。「ちょっと遊びに来て~」ってそのまま出演してもらいました(笑)。

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▲『正負之間』場面カットより。『隔離』の春樹CPを演じた河合朗弘さん(写真左)、ランス・チウさん(写真右)も警官役で出演。
──最終話や番外編ではさらにゲストも増えましたね。『那一天』のお二人も。

ウェインとチャールズチャールズ・トゥ/涂善存/『HIStory4 隣のきみに恋して~Close to You』で主演)とピーターピーター・クアン/管麟/『飛魚高校生』などに出演)はドラマ(※7)で共演していて仲がいいんですよ。
正負之間の総監督がこのドラマの監督も務めていて。

※7 『我和我的鋼四壁』(The Iron Four)のこと。2022年放送の台湾ドラマ。

その流れでまずチャールズがカメラマン役で出演することが先に決まりました。
そしたらウェインが「僕たちも出たい」ってジュンジーと。もう半分脅迫ですよ(笑)。
それで事務所にお願いしました。

その後ピーターが「僕も」って(笑)。

──ファンにとっては、こうやってまた共演している姿を見られるのはとっても嬉しいですよね。

BLドラマならではの苦労? アップのシーンが多いのは……

──BLドラマを制作する上で苦労する点はありますか?

苦労というか、工夫をすることはありますね。
ラブシーンを演じることもありますし、そうなると顔をアップにすることも多くなるのでなるべく肌の映り具合がきれいになるようメイクを頑張ったりとか。

また、新人俳優を起用することの多いBLドラマ特有かも知れませんが、映像での演技にまだ慣れていないことも多い
画面の中での身体の見せ方、使い方に慣れていないんですね。だから調整するのに時間がかかる。

一番難しいなと思うのは上半身くらいまでの画角ですね。どうやったらカメラにきれいに映るか、そういう経験値が少ないんです。だからアップの演技の方が実は早かったりするんですよ。

──そうなんですね。観る側からするとアップは嬉しいです!

もちろん、ファンが喜んでくれるという部分もあります。が、実はそんな裏事情もあるんです(笑)。

台湾におけるBLドラマの位置づけ 熱量の高さは日台共通?

──ここまで作品について伺いましたが、実際台湾においてはBLドラマはどのように受け取られているのでしょうか?

『HIStory』シリーズが始まった頃は、日本でもブームになっているタイや韓国のBLドラマはそこまで強くなかったんですね。台湾は逆に世界に向けてどんどん配信をしていった。そういう意味ではアジアの先駆者とも言えるかもしれません。日本でも『おっさんずラブ』なんかが注目を集め始めた頃です。

ですが台湾でもやはり日本と同様にニッチなマーケットではあります。でもファンの熱量は高い。『HIStory』シリーズも再生数はすごかったですし、イベントチケットはそれこそ飛ぶように売れました。

一般のドラマもたくさん放送されているので認知度という意味ではあまり高くないけれど、情熱度は高い。そういう認識ですね。

──そこは日本のファンも台湾のファンもあまり変わらない気がしますね。『正負之間』の上映会(※8)ではファンの皆さんがメッセージボードやうちわを作ってキャストの皆さんに気持ちを伝えていたのも印象的でした。

※8 2022年7月7日に開催されたイベント。本編最終話と番外編の一挙上映に加え、キャストもリモート出演し、ファンと交流を楽しんだ。

そうですね。台湾でもイベントをやりましたが、皆写真を取るのに必死なので(笑)。
オンラインでもああやって思いを伝えてくれる、反応してくれる、というのはキャストもとても喜んでいましたね。

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▲『正負之間』上映会の様子
後は、制作の裏側というかオフショットやメイキングもなるべく多く撮るようにしています。
すごく日本のファンが喜んでくれるので。
他にもSNSについてはタイのBLドラマのやり方を参考にしたり。

──『約・定』では撮影の合間に撮られたチェキの展示会もありました。

チェキももっとあるんですよ! もう全部見せたい! 『正負之間』も100枚以上はあります

──それはぜひ見たいです!

SNSやイベントなんかも、こうして一つずつ作品制作を重ねつつ、試行錯誤しながらもファンの皆さんに喜んでもらえることをやっていきたいと思っています。

──現在、最新作である『正負之間』が最終話まで配信されたところですが、今後の制作の予定についてはいかがですか?

はい、次回作も予定しているところです。来年の公開を目指して頑張りたいですね。
他にも台湾BLドラマの新作が出てくると思います。
もうすぐお知らせできると思いますので、これからも応援よろしくお願いします。

──そうなんですね。これから配信される台湾BLドラマも楽しみです!

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アニタ・ソン(宋鎵琳)さん プロフィール

アニタ・ソン(宋鎵琳)

学生時代、リー・グオショウ(李國修)氏に師事し演出を専攻。その後日本に二度の留学を経験。
日本で就職し、『HIStory』シリーズや、日本でも人気の高い『We Best Love』シリーズの買付を担当。
『イタズラなKiss~Miss In Kiss』、『Life~線上の僕ら』など多くのドラマ制作にも携わる。
現・株式会社ビデオマーケットチーフプロデューサー。
アニタ・ソン(宋鎵琳)さんインタビュー

アニタ・ソン(宋鎵琳)さんインタビュー

▲『正負之間~Plus & Minus』メインキャストの皆さんとアニタさん(写真中)。左からマット・リー(李見騰)、ハオ・シー(石承鎬)、マックス・リン(林上豪)、キレイ・チェン(鄭齊磊)

『正負之間~Plus & Minus』作品概要

台湾BL「正負之間~Plus & Minus」予告編(90秒ver.)

キャスト:
マックス・リン(林上豪)
ハオ・シー(石承鎬)
キレイ・チェン(鄭齊磊)
マット・リー(李見騰)
リー・チェンシャン(李辰翔)
リン・ミンセン(林明森)
リン・イーシン(林逸欣)
エイミー・アイ(艾雨帆)
フローラ・グー(古承頤)
ボリス・ワン(王品澔)

プロデューサー:アニタ・ソン(宋鎵琳)
総監督・プロデューサー:ジアン・ビンチェン(姜秉辰)
監督:ホアン・イーシュン(黃弈勛)
脚本:ホアン・イーシュン(黃弈勛)、ジーディエン(季電)

原題:「正負之間」
邦題:「正負之間~Plus & Minus」
話数:全12話(各話約25分)+番外編

公式Twitter:https://twitter.com/plusminus2022
公式Instagram:https://www.instagram.com/plus_and_minus.official/

配信ページ
Rakuten TV:https://tv.rakuten.co.jp/special/plusminus/
ビデオマーケット:https://www.videomarket.jp/title/415031

(c)2022 Plus and Minus _ Partners All Rights Reserved.

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numan編集部

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