【第1回】画業50周年!マンガ家・竹宮惠子先生インタビュー~“自分が今一番興味あることに忠実に”~(1/3)

【第1回】画業50周年!マンガ家・竹宮惠子先生インタビュー~“自分が今一番興味あることに忠実に”~(1/3)
マンガ家竹宮惠子先生。『風と木の詩(ウタ)』『地球(テラ)へ...』など、竹宮先生が世に送りだされた数々の作品は、連載開始から40年を経た今なお大勢の読者をトリコにし、読まれ続けている不朽の名作です。2000年からは、京都精華大学芸術学部マンガ学科(現マンガ学部マンガ学科)の専任教授に就任。2014年からは同大学の学長も務められています。そしてなんと今年(2017年)は、マンガ雑誌『COM』に竹宮先生の作品が掲載された1967年から数えて50年、“画業50周年”という節目の年でもあります。マンガ家として、教育者として、これまでの軌跡を振り返りつつお話を伺いました。
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1950年徳島県生まれ。1967年『COM』(虫プロ商事)に『ここのつの友情』を投稿し、月例新人賞に佳作入選。1968年、『週刊マーガレット』(集英社)の新人賞に佳作入選した『リンゴの罪』でデビュー。代表作『風と木の詩』、『地球へ...』で小学館漫画賞受賞、両作品は共にアニメ化されている。また、少女マンガだけでなく少年マンガや企業マンガなど様々なジャンルで活躍。文章では理解しにくい情報をマンガで描く”機能マンガ”や、後世に伝えるために史料性の高い極めて原画に近い複製を制作するプロジェクト”原画ダッシュ”の活動などを行っている。2014年紫綬褒章受章。内閣官房知的財産戦略本部員(3期目)、中央教育審議会委員(1期)、などを歴任。(京都精華大学HPよりhttp://www.kyoto-seika.ac.jp/edu/faculty/takemiya-keiko/


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“好奇心に従う”ことは変わらない

──画業50周年おめでとうございます! これまでの軌跡を振り返って、デビュー当時と今の自分の中で変わったこと、または変わっていないことはありますか?

竹宮惠子(以下、竹宮) “好奇心に従う”、ということは変わってないかな。
マンガを描くという仕事は、自分が今一番興味あることを発信したいという気持ちに忠実でないと、いいものができないので、そこをすごく素直にやってきたと思います。
それは新人の時から同じで、逆に言うと新人の時に興味があったのが『風と木の詩(※1)』の世界だったので、もう本当にどう発信すればいいのか困りました(笑)。

──1970年代には、そもそも”少年愛”を取り扱ったマンガは、日本に存在しなかったですからね。

竹宮 はい、それ以外の作品を作ることはみんな違うと感じてしまっていたんですよね。
なので、(『風と木の詩』の連載前に)頼まれた仕事や、テレビとのタイアップで描かなくてはならない仕事とか、やりたいことと違うことをやっている自分に、若い時はもうすごくイライラしていました。
新人はそういうものだと頭では理解しているけど、興味あるものに従いたいっていう気持ちがすごく強くて(笑)。自分のしている仕事が、すごく値打ちのないもののような気持ちがしてきてしまうんです。そこが大人じゃないところっていうか(笑)。

──『風と木の詩』の世界観を発信することに対して、恐れはなかったのですか?

竹宮 マンガで表現することに関しては、若い時は勝手なもので、自分が一番と思っているわけです(笑)。恐れ知らずだと思いますね。できないことはないのだから、なんでもやるんだと思っていました。

──では、ご自身でもターニングポイントと感じているのは、この『風と木の詩』でしょうか? 同じく代表作の『地球へ...(※2)』は、いかがでしょう?

竹宮 自分が本当にこれからマンガで身を立てていくんだとはっきり意識できたのも、背負って行けるって思ったのも『風と木の詩』だし『地球へ...』だし、と思っていますね。
それまでの作品は、そこへ少しずつ近づいているけど、私にとっては習作。習作と言ってしまうとファンには申し訳ないのですが、まだまだ自分の思ってるところには到達できていない。みんなそれぞれ、その時の全力ではあったと思いますが。
習作という言い方をすると、むっとする人もいっぱいいるんじゃないかな(笑)。『○○』が好きだったのに~って(笑)。

──代表作と呼ばれる作品と、ご自身の中で”最高傑作”と考える作品は、違いますか?

竹宮 最高傑作が何かって、すごく難しいと思いますけど、傑作というのは、やっぱり作品のバランスがいいものじゃないかな。作品の中に描かれている普遍性がどのくらいあるか、それがその読者にとってどれくらい大事かが、ポイントかなと思うんですね。
だから自分ではわからない部分がいっぱいある。決めるのは読者かなと思っているので、どれが自分の最高傑作、とは自分では言えないと思っています。

(※1)『風と木の詩(ウタ)』……1976年から連載された、竹宮惠子先生の代表作の一つ。当時はタブーとされていた性を真正面から取り上げ、少年愛の世界を描いた本作は、読者にセンセーショナルな衝撃を与えるとともに、熱狂的な人気を博した。1980年小学館漫画賞受賞。
(※2)『地球(テラ)へ...』……1977年から連載された、こちらも竹宮惠子先生の代表作の一つであるSF作品。1980年に劇場版としてアニメ化、さらに2007年にはテレビアニメ化もされた。1978年日本SF大会星雲賞、1980年小学館漫画賞受賞。

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