numan編集部
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それは映像業界でも同様。
その厳しい状況の中、リモート撮影という手法を使い制作された台湾BLドラマ『隔離が終わったら、会いませんか?』。
その主演は、台湾・日本・タイで俳優として活躍されている河合朗弘さん。
『隔離が終わったら、会いませんか?』の他、多くの映画やドラマ等で活躍し、
2022年7月には、『NIAFFS 2022』(NOIDENTITY-国際アクション映画祭-スペイン)にて、主演映画『CHAOTIC JUSTICE』で主演男優賞を受賞!
日本でのモデルデビューから台湾での活動のきっかけ、主演ドラマ『隔離が終わったら会いませんか?』でのエピソードや各国の俳優事情についてお話を伺いました。
◆第2回「主演を待っていた──運命の二人!?」ドラマPDに聞く台湾BLドラマ制作の裏側~アニタ・ソンさんインタビュー
https://numan.tokyo/interview/TSpaf
◆第3回「台湾はアジアBLの先駆者かもしれない」ドラマPDに聞く台湾BLドラマ制作の裏側~アニタ・ソンさんインタビュー
https://numan.tokyo/interview/6upa8
INDEX
河合朗弘(以下、同) 僕、もともとはすごいオタク少年なんですよ。
マンガ喫茶開けるんじゃないかっていうくらいマンガも持ってたし、映画も一日何本も観てたし、アニメ雜誌も毎月買ってたくらい。
絵を書くのが好きだったのですが、なぜか「絵が描きたいなら建築だろ」と先生に言われて高校では建築をやることになって、図面をひきながら「なんか違うな…?」と(笑)。
──無理矢理感がすごいです(笑)。その後大学でモデルデビューされたわけですか?
そうですね。まあ大学も結局建築科だったので、建築の呪縛からは逃げられなかった(笑)。
──絵が書きたいだけだったのに。
そう。だから、これまで経験してないことをやろうと様々なアルバイトに挑戦した中で、縁があってモデルを始めました。
でも僕は元がオタク少年だったのもあって、人の目を見て話せなかったんですよ。
自分に全然自信が持てなかった。当然カメラに目線合わせるのも苦手でした。
だからとにかく人の鼻ばっかり見てましたね。目が合っているように見えるからってアドバイスいただいて。
仕事もたくさんいただけたのですが、やはり自信が持てなくて「どうして自分なんだろう」と思いながら続けていた中でドラマ出演(※)が決まったんです。そのドラマが設計事務所が舞台で「あ、建築士になれたからいいや」って思ってしまって。
※ 2004年 テレビ愛知 スペシャルドラマ「サンタさんの贈り物」
もともとオタク少年だったので、キャラを作るのは好きだったんですよ(笑)。街を歩いてる人を見ながら勝手にストーリー考えたりとか。
だから自分もアニメのキャラになればいいんだ。好きな映画のキャラクターになればいいんだ、それは面白いと思って、そこから役者を目指すようになったんです。
──オタクならではの考え方かもしれませんね(笑)。
そうですね。やっぱり僕の根っこの部分にはオタク少年だった部分がずっとありますね(笑)。
地元から東京に出てきて、ずっと役者の活動を続けていたもののやはりなかなか厳しくて。
キャリアも長くなってきて、もうそろそろ限界かな、どうしようかなと悩んで「よし、海外に行こう」と。
このまま日本に居たらずっと踏ん切りがつかないまま役者を続けてしまう、それなら海外を最後の挑戦にしようと思ったんです。
これでうまくいかなかったらもう役者を辞めようと。だから辞める理由を探しに海外へ行ったんですよ。
実は僕、それまでに2回ほどサラリーマンをやってたこともあって。広告代理店と、後はトレーディングカードゲームの開発やプロモーションの仕事をやってました。
──ここでもオタク少年だった過去が生きるわけですね。
そうなんです。やっぱり昔からマンガやアニメが大好きだったし仕事も楽しかった。プロモーション担当として顔出しで番組に出演したりする機会もあって、そんなときが何より楽しかったんです。
──やはり出演する側にいるほうが好きだな、楽しいなと。
はい。だから海外まで行って駄目だったらもう役者辞めてもいいだろう、辞められるだろうと。
それでまずはバックパッカーでアジアの各国を周りました。
その中の一つが台湾です。すごくいい場所だなと思ったのと、その時ある事務所からも声をかけていただいて。
でもその時はすぐに行かずに、フィリピンでしばらく過ごしていたんですよ。
それから台湾に戻って、声をかけていただいた事務所に所属しました。役者を辞める理由にもなるし、やっぱりやっておこうと思って。
最初は言葉もできなかったし、すぐに仕事が決まるわけでもない。だからもう辞めよう、日本に帰ろうと思ったら仕事が決まりだして。
もう辞めようと思ったら仕事が決まる、帰ろうと思ったら仕事が決まる、というのを繰り返してましたね。
大陸の方で公開された映画の仕事をきっかけに今の事務所に移って、それから芝居の仕事がどんどん入ってくるようになって『隔離が終わったら会いませんか?』に至ります。
まず最初は学校に入ったんですよ。
でも全然ついていけなくて。
それで次に現場で覚えようと思って。
僕バスケが好きなんですけど、台湾って結構色んなところにバスケットコートがあるんですよ。
それでバスケットコートに行ってそこで遊んでる見知らぬ人に「バスケ混ぜてくれ」って言って、仲良くなって言葉を覚えました(笑)。
──人の目を見て話せなかったとは思えないほどのアクティブさ!
実はフィリピンでも同じことをやって言葉を覚えました(笑)。
リモート撮影だったので、何が大変かというと一番通信環境に悩まされましたね。
出演者は皆別々の部屋に居て、ビデオ通話の画面をそのまま撮るんです。監督からの演出指示も全部リモートです。シーンは一切カット入れずに丸々撮ってます。
──えっ、編集無しでそのまま撮って出してるんですか?
やってますね。カット割りしないで、頭から全部撮ってます。
だから一回ミスするとまた頭からそのシーン全部取り直さないといけなくて。
ちょうど撮影時間も夜で、皆ネットを一番使う時間帯じゃないですか。だからその影響で途中で止まっちゃったりとか、画像がカクカクしちゃったりして、もうその度に撮り直し。
第5話で画面越しにハイタッチするシーンがあるんですけど、あの時が一番大変だった!
何回やっても途中で止まっちゃって(笑)。
それと、ビデオ通話なので顔しか映っていないじゃないですか。
だから相手のリアクションが分かりづらくて、割とオーバー気味に演じてたらすごく自分だけオーバーリアクションで浮いちゃって(笑)。
──リモート会議でもよく言われますよね。少しオーバーなくらいでOKだって。
もう普通の撮影より全然大変でしたね。
まず企画書を読んでみて、BLドラマで、台湾で、しかもリモートでって僕がまだあまり経験していないことばかりで面白そうだなと。これも挑戦だなと思って出演を決めました。
──相手役を決めるオーディションにも参加されたんですか?
はい、リモートで参加しました。
オーディションではいろんな方と同じシーンを演じましたが、実際相手役に決まったランス・チウ(邱治澔)くんのときにピンと来ましたね。「あ、彼じゃないかな」って。
──えっ、もう運命じゃないですか。
オーデション前、彼が画面に出てきた瞬間からもう彼だなって分かりました。
オーディション時、初めての2人での写真@lancechiuu #春樹CP pic.twitter.com/9XgJbBNW6N
— 河合朗弘 佐藤樹 (@akihirokawaiaki) October 29, 2021
そうですね。でもキスシーンの後ぐらいからすごく距離が縮まったなと思いました。そのシーンの撮影が初めて一緒に撮る機会で、それまでずっとリモートだったのでなんだか不思議な感覚でしたね。
面白かったのが、そのシーンの撮影が終わった後、彼ずーっと僕の後ついてくるんですよ。ひよこみたいに(笑)。
──それはかわいすぎますね(笑)。
監督が怖かったのか、とにかく僕の後ろに隠れてずーっとついてくるんですよ。あれは本当に可愛かったですね。
──同じ制作陣が手掛けたドラマ『正負之間~Plus & Minus』(※)でも警官役でお二人で特別出演されてますよね。
ちょうど撮影のタイミングが僕が日本に帰ってくる直前で、時間がなくて。
スケジュールに余裕があったらもうちょっと活躍できたかもしれないですね(笑)。
※『正負之間~Plus & Minus』…2022年配信の台湾BLドラマ。河合朗弘さん、ランス・チウさんの二人が警官役で特別出演。
まずギャラが安いことかな(笑)。
台湾は、割と仕事はあるんですけど、ギャラも安いので、俳優としての仕事だけで生活している方ってほとんど居ないんですよ。
仕事はすごくあるんだけどやればやるだけ生活はできなくなるというか。
それと、台湾だと日本のように俳優とか歌手とか明確に別れているわけじゃないんですね。面白ければ一般の人でも普通にテレビに出られますし、そういう意味では門戸が広いのかな。
皆さんバラエティとかYouTubeとかをやりながら知名度を上げていってドラマにも出演するというパターンが多いかもしれません。
僕の場合はギャラが安くても芝居ができる場があればそれでいいし、日本にいるときよりもチャンスは多いと思います。とはいえ誰にでもあるわけではないし、僕の場合は、運だったり縁だったりで広がっている部分が大きいかも知れません。
あれも運命というか。当初日本人は募集してなかったんですよ。でも無理やりオーディション受けたら決まりました。
それに当初主演ではなかったんですが、色んな事情が重なって主演になって。
日本だとアクション撮る時って、怪我をしないために武器も竹光を使ったりしますが、この作品だとガチなんですよ。
刃は潰してあるんですけど中身はもう鉄。リアルに危ない。
当たったら大怪我するので、もう緊迫感というか迫力はすごく出てたんじゃないかな。日本だったらスタントを使うぐらいのシーンでもガチで演じてます。
実は撮影前の練習期間に足を骨折したんですよね。
マネージャーからも「武器を使うし危ないからもう辞めろ」と言われて、監督からも「アクションシーンは無くそう」とまで言われました。
──アクション映画なのに?
そうなんですよ。だからそれじゃ駄目だと思って、ギプスしながらずっと稽古をしていて。
そうやって頑張った作品なので、今回主演男優賞をいただけてすごく嬉しかったですね。
先ほどお話しましたが、台湾で俳優の仕事だけではやっぱり生活していけない。
でも俳優を続けていくためには何かしら収入が必要だということでもともとは初めたんですよね。
どうせやるなら、台湾にいるんだし自分が好きなものを売りたいなと。そこでまず仕入れの交渉から始めて一から立ち上げました。
商品写真も自分で撮ってます。店先で撮っているので、通り過ぎる人にジロジロ見られながら(笑)。
──そちらの販売も楽しみですね。では、俳優・河合朗弘としての次の目標は?
台湾でもこれまで以上に活躍していきたいと思っていますし、日本でももっと俳優として活躍できるといいなと思っています。
まだ日本では芝居をできる場が少ないので、自分でYouTubeチャンネルを作って配信していたりもしています。
他にもタイや韓国などからも声をかけていただいていて、チャンスは沢山あると思っているので一つ一つの仕事を全力で取り組みながらこれからも頑張っていきたいと思っています。
日本の皆さん、どうぞ応援よろしくお願いします。
日本、台湾、タイ、大陸で俳優として活動する他、自らアパレルブランド『a/m Taiwan』を手掛ける。
『NIAFFS 2022』(NOIDENTITY-国際アクション映画祭-スペイン)にて、主演映画『CHAOTIC JUSTICE』で主演男優賞受賞。
https://linktr.ee/akimax
◆a/m Taiwan
https://amtaiwan.base.shop/
期間:2022年9月23日(金)~25日(日)
場所:マルイ有楽町 2F コンセプトショップスにて出店
詳細は、公式Instagram(@am_taiwam)からご確認ください。
エグゼクティブプロデューサー:アニタ・ソン(宋鎵琳)
プロデューサー:キム・キョンウン(金京恩)、ジアン・ビンチェン(姜秉辰)、リン・ペイユー(林珮瑜)
監督:ジアン・ビンチェン(姜秉辰)、ホアン・イーシュン(黃奕勛)
脚本:リン・ペイユー(林珮瑜)
原題:「隔離後見個面好嗎」
邦題:「隔離が終わったら、会いませんか?」
英題:「See You After Quarantine」
話数:全10話(各話約7分)
配信ページ
Rakuten TV:https://tv.rakuten.co.jp/special/syaq/
ビデオマーケット:https://www.videomarket.jp/title/415028
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