杉江大志「井澤勇貴とは”夫婦”みたいな関係」｜映画『メサイア ―幻夜乃刻―』公開直前インタビュー

前回のインタビューでは、杉江さんにシリーズを通した魅力などをたっぷりと語っていただきました。映画公開直前となる映画『メサイア ―幻夜乃刻―』についてのお話しから井澤勇貴さんとの関係性まで、より深く伺います。

杉江　どちらも加々美がスパイ養成機関”チャーチ”卒業後を描いているんですけど、前回はチャーチに戻ってきている時を描いていたのに対して、今回は本当に卒業してから“サクラ”と呼ばれるスパイとして、ミッションに関わるお話になります。今回はサクラになってからどんな苦悩があるのか、っていう姿がより色濃く描かれるストーリーとなっています。

――さらに今作での加々美は、山田ジェームス武さん演じるサリュートと行動を共にすることに。現場ではどんな雰囲気でしたか？

杉江　まぁ、和気あいあいと！　 くだらない話から芝居の話まで、色々と話していましたね。中でも2人とも、「これ、大丈夫かな？」ってずっと言っていました(笑)。

――その「大丈夫かな？」とは……？

杉江　今までと違う展開ではありつつ、『メサイア』の空気感はしっかり踏襲したい……というのがあって。そこを意識しすぎるがあまりに、作品としてのバランスを崩してしまっていないかなと。

僕たち２人のシーンが多くて、ほかのキャストのシーンにはほとんど立ち会えていなかったので、そのバランスが分からなくて。でも結局、「そこは監督に任せれば大丈夫だよね」って言いながらやっていました(笑)。

杉江　 加々美と一緒に成長させてもらっています。分からないことが増えていくんですけど、また別の作品を経験していく中でだんだんと理解できて、次に『メサイア』に帰ってきたときには、できることが増えています。

そして新しいことを引っ提げて帰ってきたときに、また違う分からないことを投げつけられて(笑)。その繰り返しのおかげで、成長することができたと思います。

――パートナー、”メサイア”である有賀涼役の井澤勇貴さんとも一作振りの共演ですね。2人が一緒に写ったメインビジュアルには、「やっと一緒に！」という気持ちがしてしまいます(笑)。

杉江　 ふふふ。有賀がどんな形で出てくるのか、楽しみにしていてください！（笑）

杉江　 「お互い、成長したね」って(笑)。「いろいろできるようになったよな～。でもまだまだだよな」と言い合いました。そういうところで、お互いに同じ感覚を持っていることがすごく嬉しいし、役者としていい仲間であり、いいライバルでもありりますね。  

やっぱり井澤がやっていることは意識しますし、負けたくないっていう気持ちもあるんです。そういう意味では『メサイア』という作品を通して、いいライバルができたなと思っています。

――メサイア同士のキャラクターが多く登場しますが、各ペアで関係性にも違いがあります。有賀＆加々美の関係は、言葉で表すならどんな雰囲気でしょうか？  

杉江　なんだろう……、夫婦みたい？(笑) 　めちゃくちゃ寄り添い合うわけじゃないけど、いないといけない存在であって。困った時には手を差し伸べあって、なんか熟年夫婦みたいだなって思います。ふふふ。  

――実際の井澤さんと杉江さんの関係にも、夫婦っぽい部分はありますか？  

杉江　どっちかというと兄弟かな？  

――どちらがお兄ちゃんなんでしょう。  

杉江　うーん。同い年だし、双子で！(笑) 　どっちが上とかはなくて、お互いに意識し合っていて。負けたくはないけど、お互いに信頼もしているし、競い合っている関係です。

杉江　今回、特に気になったのはコニーさん(百瀬多々良役の小谷嘉一さん)。重要なスパイスで、いい味を出しているんですよ。コニーさん（小谷さん）のシーンが面白いので、ぜひ注目してほしいです(笑)。コニーさんは、シリアスな作品の中で邪魔をせずに存在感を放つ、素敵な役者さんだなって思います。

――今作以降も新たなキャラクターが加わっていくことが発表されていますが、新キャストで気になる方は？

杉江　 新キャストの中だと、次回作の舞台『メサイア トワイライト ―黄昏の荒野―』（2019年予定)で登場する近藤頌利ですね。「頌利、そこにくるか～！」って(笑) 。
彼がどんなキャラクターを作ってくるのかがめちゃくちゃ気になります。僕自身、次の舞台を観るのがすごく楽しみですね。

杉江　次に繋げるという責任は大きく感じます。僕たちの作品で「『メサイア』はもういいや」って思われてしまったら、次の作品がどんなに良くても観てもらえなくなってしまう。長いシリーズを演じさせていただく上ではすごく感じていますし、「下手なものはできないな」と。

――今後も『メサイア』シリーズで、加々美の姿は見られるんでしょうか？

杉江　僕としては一旦ここでひと区切り、という感覚ではあるんですが、まだ分かりません。でも「今までの卒業生を集めた、オールスター作品ができたら面白いですよね。何の事件も起こらない、ただ話しているだけの『メサイア』(笑)。

――それはトークイベントでの皆さんの姿では？(笑)

杉江　そうそう、そんな感じでできたら面白いなって思っています(笑)。

杉江　今作は“有賀涼と加々美いつき”、そして“井澤勇貴と杉江大志”の集大成でもある作品です。並々ならぬ思いをもって挑んだ作品ですし、それにふさわしい脚本を書いていただいたので、今まで加々美の成長を見続けてきてくださった方には、絶対に見逃さないでいただきたいです。

そして、今作はこの1本だけを観ても十分楽しめる作品に仕上がっているので、『メサイア』シリーズが初めての方にもご覧いただけます。

今まで『メサイア』シリーズを通して観てくださっている皆さんには、『メサイア』にかける僕の想い、そして加々美の想いをぜひ見届けていただきたいなと思います。ぜひ、劇場に足を運んでご覧ください！