2019年BL流行予想は”スパおじ攻め”と”スパダリ受け”!?　ヒットの理由と注目作品を聞いた

4月12日に発表となった商業BLの祭典「第10回BLアワード2019」。
ノンケ攻め、健気受け、イケオジ、オメガバースetc……と多彩なジャンルや設定が存在する商業BL。そのジャンルや設定にも年ごとの“流行り”があるようで……!?

今の商業BL業界で一体何が流行っているのか、その動きを探るべく、腐女子の強～い味方・BL漫画＆小説のレビューサイト「ちるちる」編集部（以下、ちるちる）にリサーチ。

商業BL作品を様々な視点からランキング化し発表する商業BLの祭典「BLアワード」を毎年開催している、ちるちる。その確かなBL知識と愛から予測される2019年のBLジャンルを覗いてみましょう。

先日発表された「BLアワード2019」。そのノミネート作品を参考に2019年にヒットしそうなBLジャンルをちるちるに予想していただいたところ――次にくるのは“スパおじ攻め”と“スパダリ受け”とのこと。

スーパーおじさん（通称・スパおじ）攻めとスーパーダーリン（通称・スパダリ）受けに注目！
スパダリはこれまでそんな攻めの代名詞のようにも思われてきましたが、そんなスパダリが受けとは一体どういうこと？　ちるちるさん、教えてください！

「攻めが過剰に“攻め”すぎるから“受け”に堕してみたい！　受けの “健気”さが過剰すぎて、攻めの心も体も包みこむスパダリにしてみたい！　

――最近、腐女子の世界では一方方向のベクトルが臨界点を迎えると反対方向へ相転移してバランスをとする不思議なチカラが働いています。ひとつの方向に突き詰め頂点に達すると新しい世界の扉が開けるのです」（ちるちる編集部／以下同）

なるほど……。そうして無限に新しい世界の扉が毎年開かれていくのですね。続けて、オススメの“スパおじ攻め”と“スパダリ受け”作品を教えていただきました。

「BL内に出てくるおじさまは、イケイケのゴージャスオヤジではなく、どこか生活能力が欠けていて、頼りにならないので“受け”になることがほとんど。そんなダメおじさんを攻めに抜擢して、なかなかこのおじさんヤレるじゃない！　オヤジはイケる！　と驚かせたのがこの作品です。

この作品に出てくるおじさまは、生活能力がなくちょっと頼りないのですが、パーフェクトにやさしくどんなことがあっても受けのことを思ってくる聖母（マドンナ）のような存在。こんな方がいつもそばにいたら受けも安心して生きていける！」

「無邪気でかわいいDKのひたむきな気持ちが突然のスプリンクラーのように不意打ち全身に降り注ぐ！　ピュアピュアスパークルな作品です。

時代によらず人気の高い高校生ものですが、レッドオーシャンだけに人気をゲットするのはとても難易度が高い。そんな中で受けすぎてもう最後にはスパダリのように大きな存在感を発揮する日葵くんのキャラ設定がすばらしい」

ヒットジャンルを中心にお話をお聞きしてきましたが、逆に“流行り”の影響を受けない“鉄板モノ”、安定した人気を誇るBLジャンルはどのあたりなのでしょうか？

「年下攻め×健気受けですね。『テンカウント』（著者／室井理人　出版社／新書館）、『抱かれたい男1位に脅されています。』（著者／桜日梯子　出版社／リブレ）、『憂鬱な朝』（著者／日高ショーコ　出版社／徳間書店）など人気作は、メインキャラクターがこの組み合わせです。

攻めが鈍感、奔放、かつ俺様、ときにひどいこともされますが、必死に攻めの役に立ちたい、守ろうとする受けの愛に心を打たれます。

また攻めもふだんは問題行動が見られますが、受けが窮地に陥っている場面ではどんな手段を使っても受けを救おうと力を発揮します。そのおたがいの気持ちの無限の無償性がここ10年のBLにはある気がします」

ありがとうございました！　毎年膨大なＢＬ作品と向き合っている、ちるちるさんならではの濃いお話しをたくさん聞かせていただきました。
次回、【第二回】の記事では過去のＢＬ流行ジャンルについてのお話しをお届けします。お楽しみに♪

また4月12日(金)の発表とともに、「全国書店員が選んだおすすめBLコミック2019(日販主催)」と、「BLアワード2019(ちるちる主催)」、全国書店、電子ストア「コミックシーモア」「honto」「Renta!」などで「BLアワード」フェアの合同フェアがスタートしています。

「BLアワード2019」、「全国書店員が選んだおすすめBLコミック2019」の上位受賞作品を中心としたBL本を2冊購入すると限定小冊子『HOW TO BL 2019』が1冊配布されます。

小冊子『HOW TO BL 2019』2018年BL界を彩った作品の特別描き下ろし漫画25作品、ランキング上位作家コメントが掲載された68Pの小冊子です。

■詳細ページ
https://www.chil-chil.net/compNewsDetail/k/blnews/no/20452/