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「ちるちる」が開設されてから約15年、BLに関するデータを収集&解析してきたサンディアスが考察する近年の気になるBL事情について【前後編】に渡りレポート! 前編の今回は、BLの多様化について伺います。
講師のBLソムリエ・アンリ54世さんによると「2022年現在、BLはひと括りで説明できないほどの多種多様の層(ジャンル、テイスト)に分かれている状態」になっているのだそう。
そのような状況を踏まえ、サンディアスではBLを8分類に分ける“BLメソッド8分類”を作成。分類は簡易的なものでもちろん例外もあるとのことですが、まずは商業BLを構成するという8つの分類をチェックしていきましょう。
INDEX
【2】ビビッド系:次世代少年漫画的BL
10~20代の若者からの人気がバツグンで、逆に30~50代の上の層はあまり手に取らないジャンル。TikTokなどのSNSで流行になりやすい。アニメや二次創作作品などに触れてきた層に好まれる傾向がある。(例:『跪いて愛を問う』山田ノノノ/新書館)
【5】コミカル系:サブカル的BL
コミカルな少年漫画テイストが含まれ、男性でも読みやすいとされるジャンル。男女ともにBL未経験者でも楽しめるため、オススメやすい。(例:『滅法矢鱈と弱気にキス』腰乃/東京漫画社)
【6】骨太系:青年誌的BL
ストーリー重視で、 “読ませるBL”。BLソムリエのアンリ54世さんのようなBL有識者から高評価を得ることが多い通好みの作品が多い。海外ドラマ好きの層に好まれる傾向がある。(例:『囀る鳥は羽ばたかない』ヨネダコウ/大洋図書)
【8】フェロモン系:男性誌的BL
性を重視した作品で、設定や細かな違いにこだわる方から支持を得ている。母数は少ないが売り上げは固い。(例:『ヒーリングパラドックス』昼寝シアン/竹書房)
【2】ビビッド系(次世代少年漫画的BL)は私たちアラサーにはあまり馴染みのなかったジャンルのように思えます。少年漫画的というと『ONE PIECE』や『ドラゴンボール』のようなものでしょうか?
“次世代少年漫画的”というジャンルは、そういった二次創作される方が描くようなBL漫画というくくりで、先に挙げた『呪術廻戦』のようなダークさがある少年漫画的でありつつも女性向けの作品になっている、という意味で“次世代少年漫画的”というジャンル分けになっています」
「というよりは、“BL”を俯瞰で見てパロディ化しているような作品ですね。例えば、BL読者に向けて“BLってこうだよね!”というあるあるネタを楽しむ作品とか、通常は“攻め”であるはずのスパダリを“受け”にするといった、既存のイメージを逆転させて面白がるような作品などを指しています。
コミカルでテンポよく進んでいきやすく、普段からBLを読んでいる人はもちろんのこと、BLに慣れていない人や男性でも割と読みやすい傾向があるジャンルです」
筆者個人としても、近年のBLの変化――カジュアル化には驚いているところがあり、その変化の理由が気になるところでした。
こういった変化は、閉じていたBL界が“外”の流れの影響を受けたからと言えるかもしれません」
もともとBL好きではない人たちにも“男性同士のドラマでも面白いものがあるんだなぁ”と思ってもらえるようになったことで、BLライト層の増加という流れができたんじゃないかと個人的には思っています」
その結果、若い人たちの中にはBL好きを誇り、腐女子であることをステータスに感じることもあるとのことなので、本当に近年のBL界の変化には驚かされるばかりでした。
※後編はこちら!
・2022年のBL流行は王道甘々系と骨太系に真っ二つ!世代で異なる理由は“シェアしたい”
https://numan.tokyo/column/OXpzC
(執筆:イケダトモ)
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