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北村諒×西田大輔『ひとりしばい』Vol.3|演出家インタビュー&公演レポート!「”俳優”と”創り手”の濃密な関係」

最大限「NO!!3密」を意識した上で、「キャスト・スタッフらに活動の場を作りたい!」「舞台に立つキャストの姿をお客様に観てもらいたい!」という想いから実現した、講談社とOffice ENDLESSの共同プロジェクト『ひとりしばい』。

キャストが演出家を指名し、演出家は完全オリジナルの芝居を作り上げるという、まさに俳優と創り手ががっつりとタッグを組むこのプロジェクト、
Vol.1:荒牧慶彦さん×岡本貴也さん
Vol.2:小澤廉さん×川本成さん
に続き、
7月4日に行われたVol.3は北村諒さん主演、作・演出は西田大輔さんによる
「ひとりシャドウストライカー、またはセカンドトップ、または、ラインブレイカー」

一回限りの公演ということで、その内容に込められたものを、西田大輔さんにお聞きしました!

■主演・北村諒さんインタビューはこちら!
北村諒×西田大輔『ひとりしばい』Vol.3|主演・北村諒インタビュー「ひとりだったけど”ひとり”ではなかった」

■『ひとりしばい』Vol.1、2はこちら!
荒牧慶彦×岡本貴也『ひとりしばい』Vol.1「断-Dan-」演出家インタビュー&Zoom公演レポート!
小澤廉×川本成『ひとりしばい』Vol.2「好きな場所」演出家インタビュー&Zoom公演レポート!
小澤廉×川本成『ひとりしばい』「好きな場所」主演・小澤廉にインタビュー「芝居が芝居ではなくなる境地に」

北村諒×西田大輔「ひとりしばい」公演画像1

北村諒×西田大輔「ひとりしばい」公演画像1

「北村諒をどう美しく魅せるか」|作・演出の西田大輔さんにインタビュー!

──『ひとりしばい』の公演を終えてみて、手応えや感想をお聞かせください。

ただ画面越しの「朗読劇」ではなく、「リモート」という表現手法を最大限生かしたコンテンツを産み出せたチーム,製作陣に感謝しています。
同時に、「俳優」と「創り手」の濃密な関係を改めて思わせてくれました。

──無観客・配信型だからこその演出など、苦労された点や工夫された点を教えてください。

舞台での観客の皆さんの視点や、俯瞰の視点ではなく、「カットを割る」という行為が、この「ひとりしばい」の醍醐味でもあるので、そこは重要だったと思います。
あとは、北村諒をどう美しく魅せるか、これに尽きます

北村諒×西田大輔「ひとりしばい」公演画像2

北村諒×西田大輔「ひとりしばい」公演画像2

──今までにない新しい形態でのお芝居ですが、最初に演出のオファーが来たときはどのように感じられましたか?

そうですね。大変なことになるだろうな、と。
でも、北村諒でなければ、このお仕事もしてなかったような気がしています
この物語もしかり。やっぱり、作家と俳優が同じ時代に生きている意味、みたいなのは感じていました。
他の俳優だった場合、また物語も変わると思います。

──一人芝居というお芝居の形態は以前からあるものですが、稽古や役者さんとのやり取りを振り返ってみると?

久しぶりに細かくじっくりやった稽古は楽しかったですね。
ここの所、創るという行為ができなかった。
だからエネルギーが有り余っていたのかもしれません(笑)。

──今回タッグを組まれた、北村諒さんへ一言お願いします。

俳優、「北村諒」の覚悟が観れた、と思っています。
本番で、またひとつうまくなっていく様は、心地よかった。
これからも、その覚悟でよろしく。

――『ひとりしばい』の演出を終えて、舞台をご覧になったお客様に伝えたいことは?

新しいジャンルでもあるので、ご覧になってくれた皆さんには感謝しかありません。
僕らは、「舞台」を創っています。
これからは、その「一つの場所」を目指して、共にいれたらうれしいです。

「この壁を見つめ続ける」─『ひとりしばい』vol.3 北村諒公演レポート

幕開き、客席に佇む一人の俳優(北村諒さん)の姿。
「舞台が始まる。でも始まらない。なぜならここに壁があるから」
「世界は未知の時代にこの壁を作ったんだから」
と、俳優は告げます。

けれど映し出されるのは、照明で照らされた舞台と無人の客席。
舞台と観客が遠く隔てられている現状、モニターを通じて舞台を観ているというこれまでとは異なる状況が”壁”なのだと伝えてくれているようです。

その”壁”と対峙し、「これが僕の選んだ世界だ」と、「ようこそ、ひとりしばいに!」と呼びかける俳優。
そして俳優は、
『ひとりシャドウストライカー、またはセカンドトップ、または、ラインブレイカー』と題された、ある男の物語を紡ぎ始めるのです。

北村諒×西田大輔「ひとりしばい」公演画像3

北村諒×西田大輔「ひとりしばい」公演画像3

第一次世界大戦後、経済の悪化により社会的な不安が増大するドイツに生まれたある男。
ナチス政権下で宣伝相ゲッペルスに憧れ、多感で孤独な少年時代を過ごした彼の出会った「セカンドトップ」。

やがて第二次世界大戦、そしてベルリンの"壁”に象徴される東西冷戦の状況の中で大人になった彼が出会う一人の少女「ラインブレイカー」。

世界大戦、ナチス・ドイツ、東西冷戦、ベルリンの壁崩壊……どれも歴史的な出来事として有名な事件ですが、そういった事実を背景にしながら、冒頭から何度も「私は嘘をつきます!」と繰り返す俳優が演じる舞台。

どこまでが虚でどこまでが実か、曖昧で混沌とした物語にいつのまにか引き込まれ、終わったあとにじっと余韻に浸りたくなる、考えさせられる舞台でした。

北村諒×西田大輔「ひとりしばい」公演画像4

北村諒×西田大輔「ひとりしばい」公演画像4

そして、物語を紡ぎ終えた俳優は、再び客席から観客へ呼びかけます。

俳優が舞台で紡ぐ物語、それは「ここ(劇場)でしか味わえないもの」。
「私は"壁"を見つめ続けます」
「それが美しさだと、志だと思うのです」
と彼は語り、
ラスト、俳優は舞台の上で
「そこ(舞台)は僕のものだ」と締めくくります。

それは演じているお芝居の台詞でありながら、改めて舞台に上がる俳優としての北村諒さんの矜持を感じた一言でした。

北村諒×西田大輔「ひとりしばい」公演画像5

北村諒×西田大輔「ひとりしばい」公演画像5

終演後は、お互いの健闘を称えるように、楽屋で北村諒さんと拳を打ち付け合う西田大輔さんの姿が。
Vol.1、2に比べ、上演時間が長かったために、アフタートークの時間が短かくなってしまったそうですが、
「作品の中で全部伝えたのでそれでいいんです!」と西田さん。

「とっても幸せな時間でした!」
北村さんはカーテンコールで、すっきり晴れ晴れとした笑みを浮かべていました。

公演概要

タイトル:ひとりしばい Vol.3 北村諒
公演日程:2020年7月4日(土)17:00~
出演:北村諒
作・演出:西田大輔

会場:Zoom
チケット料金:3,000円(税込)
主催:舞台「ひとりしばい」製作委員会
企画・制作:講談社/Office ENDLESS
公式HP:http://officeendless.com/sp/hitorishibai
公式Twitter:@hitoshiba2020
ハッシュタグ:#ひとしば

©舞台「ひとりしばい」製作委員会

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numan編集部

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