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『トクサツガガガ』第6話がツラすぎる…!オタ趣味は「人前で言えるとか言えないとか関係ない」

いよいよゲンカ将軍との決着の時を迎えた『獅風怒闘ジュウショウワン』のヒーローたち。仲間が次々と倒れていく中、最後に残されたシシレオーはどう戦うのか……。

「決着のときだ!」そんな特撮シーンからはじまった第6話。オタク仲間とのほのぼのした時間を描いた第5話から一転、ハラハラしっぱなしの展開をセリフとともにふり返ります!

「あとは変身してくれたら完ぺきなんだけど」

会社にやってきたコピー機の営業マン(土屋神葉さん)にときめく叶。同僚たちに勘違いをされ、二人きりになるチャンスを与えてもらうと……。

「吠えてもらってもいいですか!? ウォーッと!」
「じゃああの、ポーズだけでいいんで!」

叶の無茶振りになぜかトゥクンときてしまった営業マン。ポーズだけなら、と言いつつしっかり吠えてくれますが、叶が彼にときめいたのは現実の恋愛対象として興味があるわけではなく“シシレオー役の俳優に似てる”という理由から。

現実に出会った人が推し俳優に似ていると、たしかに気になってしまいますよね!でも「あとは変身してくれたら完ぺきなんだけど」って叶ちゃん、それはさすがに無理なのでは~!

「あんなもんでも観てたおかげで、頑張ってたのかもしれないしねえ」

任侠さん(竹内まなぶさん / カミナリ)のお店でダミアンの吉田さんに対する恋心や、吉田さんが最近忙しくて連絡がつかないことなどを話していると、任侠さんの“母ちゃん”が登場しました。

ずっと自分の「お母ちゃん(松下由樹さん)」から特撮好きを毛嫌いされていた叶は、任侠さんが小学生の頃から筋金入りの“ラブキューちゃん”好きであることを知っている任侠さんの母ちゃんに驚きを隠せません。

「真っ暗な部屋でさあ、小学生にもなる男の子がね、女の子のアニメ観てんのよ」
「テレビでよく出てるさ、容疑者ってこんな感じじゃない?」

任侠さんの黒歴史やオタクへの偏見を、当の任侠さんの前でペラペラと話す任侠さんの母ちゃんにやや圧倒される叶。でも任侠さんの母ちゃんは、任侠さんを支えていたのが大好きな『ラブキュート』であること、主人公が「泣き虫だけど、弱虫じゃない!」とがんばる姿に任侠さんが励まされていたことを知っていたのでした。

「あんなもんでも観てたおかげで、嫌だ嫌だ言いながら学校もちゃんと頑張ってたのかもしれないしねえ」
(それやでお母さん……ほんまソレ!!!)

第1話で叶が語った「大事なことはみんな特撮が教えてくれた」という思いと同様に、任侠さんにとっては「大事なことはみんなラブキュートが教えてくれた」んですねえ。

しかしその後の任侠さんの母ちゃんのセリフが痛かった。「まああのころはまさかこんなに大きくなるまで観てるなんて夢にも思わなかったけどね」うっ……。これ、自分の親とかも思ってるのかな……。叶と、声をそろえて言いたいと思います。

「いまだにオタで……サーセン」

「ふたりとも『ジュウショウワン』好きなんですか?」「ごめんなさい!」

お正月に『ジュウショウワン』の映画を観に行くという話をダミアン(寺田心さん)から聞き、吉田さん(倉科カナさん)を誘って同じ日に行くと約束した叶。

ところがその日は予定があると吉田さんに告げられ、叶は北代さん(木南晴夏さん)を誘って『ジュウショウワン』の映画を観に行きました。

吉田さんが来られなかったことにガッカリするダミアンですが、直後、映画館のロビーに吉田さんの姿を見つけます。思わぬ鉢合わせに、驚きを隠せない叶と吉田さん。するとそこに男性の姿が……それはなんと、吉田さんの彼氏でした。

てっきり自分と同じ映画を観に来たと思いこんでいるダミアンは、おそらく彼氏に特オタを隠しているであろう吉田さんに、目を輝かせながら聞いてしまいます。

「ふたりとも『ジュウショウワン』好きなんですか?」
「……ごめんなさい!」

たまらず、その場から逃げだしてしまう吉田さんでした。

一方、叶は、最近吉田さんと会えないのは彼氏が原因だったと知って落ち込みを隠せません。言ってくれたらよかったのに、と。

「結婚とか彼氏とか、オタクの私にはファンタジーですからっ」

これは普通なら笑えるセリフなんですが、吉田さんに裏切られたような寂しさの裏返しになっている気がして、なんだか切ない気持ちに。叶の心情も、吉田さんの気まずさも、どちらも分かるようで胸がチクチクしてしまいます。

「人前で言えるとか言えないとか、そんなの関係ないでしょ」

その後、映画鑑賞中に電源を切っていたスマートフォンを確認すると、叶のお母ちゃんから大量の着信履歴が……。ついにこのときが来てしまいました。

お母ちゃんを部屋に上げずに済むよう、お母ちゃん好みのラブリーな洋服で高級料亭へ向かう叶。兄・望(渡部豪太さん)の協力のもと、なんとかやり過ごそうと必死になる叶でしたが、時すでに遅し。お母ちゃんはすでに叶の部屋に入ったあとだったのです……。

お母ちゃんは、叶の部屋から持ち出したシシレオーのフィギュアを取り出し「まだこんなん持ってたん?」と叶を責め立てます。そんなお母ちゃんに、叶はハッキリと言い返しました。

「人前で言えるとか言えないとか、女なのにとか大人なのにとか、そんなの関係ないでしょ」
「でもそうやって言えないからおかしいんだとか自分が間違ってるんだとか、もうこれっぽっちも思わない」
「ちゃんと友だちもできたし、別に変じゃないし、独りでもないよ」

お母ちゃんにも、会社の同僚たちにもずっと特撮オタクであることを隠し続けてきた叶。でも吉田さんや北代さん、みやびさん、ダミアンや任侠さんと出会って「女でも男でも、いくつになっても、好きなものは好きでいい」と気づきました。

それを認めあえる仲間に恵まれたからこそ、いまだに特撮好きである自分をバカみたいだと思うことはあっても、“もう”間違いだとは思わなくなったんですよね。叶がこれまでに築き上げてきたオタ友との友情を感じてグッと来てしまいます。

「結局、叶は独りになるよ」

ところがそんな叶の思いを、あっけなくお母ちゃんは打ち砕きます。「いい加減にしなさい!」と突然ビンタされ、呆然とする叶。

「結局、叶は独りになるよ。女の子なら30過ぎたらもらい手なくなるのよ」とオタ仲間との友情までこき下ろされ、最後は「こんなもの大事にして何になるのよ!」と、目の前でお母ちゃんにシシレオーフィギュアの腕をへし折られてしまいました。

きっと、お母ちゃんが壊したものは、単なる“叶の大切な獅子レオーのフィギュア”じゃない。叶がこれまで大切にしてきた、そして今でも一番大切な「特撮を好きだという自分」と、同じように好きなものを好きで居続けたいと願うオタク仲間そのものだったのではないでしょうか。

あまりにも辛いシーンで、ある意味お母ちゃんも正論だとか、叶が心配だったからとか、そんなことがどうでも良くなってしまうほどで。

だけど、お母ちゃんを殴り返して絶縁を宣言した叶に「よくやった」とも言えない……。叶の叫びが悲痛すぎて、涙なしでは観られないシーンでした。

「繁殖期に大量発生するアカガニかと思ったわ」

吉田さんとのすれ違いやお母ちゃんとの対決など、苦しい場面が多かった第6話「ハハノキモチ」。その中で癒やしだったのが、はじめて観た特撮映画に冷静な感想を述べる北代さんです!

「どうして赤いのうじゃうじゃ出てきたの?」
「繁殖期に大量発生するアカガニかと思ったわ」

歴代のヒーローが大集結する演出をアカガニにたとえてしまう北代さん(そして大量発生したカニの映像にヒーローの音声をかぶせてしまう演出も)最高でした!

あのシーンがなかったら、今週はホントに辛いままだったかも……北代さん、ありがとう!

いよいよ次は最終話「スキナモノハスキ」。吉田さんと仲直りはできるのか、お母ちゃんとの関係は修復できるのか……心して見守りたいと思います!

執筆:森本マリ

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numan編集部

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