『きのう何食べた?』第5話 男性カップルの"将来"にドキッ…「一生添い遂げるつもり?」西島秀俊×内野聖陽

男性カップルの生活を描くよしながふみ先生原作のドラマ『きのう何食べた?』(テレビ東京系)。

倹約家で几帳面なイケメン弁護士・筧史朗(通称シロさん / 西島秀俊さん)と、人当たりが良くハートがふんわり乙女な美容師・矢吹賢二(通称ケンジ / 内野聖陽さん)という男性カップルの同棲生活あれこれを、ふたりの食事と人々との関わりを軸に描き出します。

第5話の舞台は"おおみそか"から"お正月"。今回は、誰もが思わず食べたくなってしまうような「ケンジの料理」も登場しましたね♪

「一生添いとげるつもりでいるの?」

第4話で手術を終えたシロさんのお父さん(志賀廣太郎さん)が、無事に退院することになりました。迎えに行ったシロさんは、両親とともに実家に帰ります。

お父さんの入院を経て、両親の絆を再確認したシロさんが「はじめて、夫婦っていいもんだなって思った」と言うと、すかさずお母さん(梶芽衣子さん)が食いつきました。

「そう思うなら、もっと真剣に考えたほうがいいんじゃないの?」
「その方(いま一緒に暮らしているケンジ)とは、一生添い遂げるつもりでいるの?」

唐突なお母さんの発言に面食らうシロさんですが「老い支度についてちゃんと話をしているのか?」とさらに詰め寄られ、今年の年末年始は帰ってくるようにと念を押されてしまうのでした。

「シロさんはさ、ちょっと贅沢だよね」

実家での出来事を、ケンジに話すシロさん。“老い支度”の話から、実家で出される食事の話まで、朝からシロさんの愚痴は止まりません。
そんなシロさんに対して、ケンジが静かにこう言います。

「シロさんはさ、ちょっと贅沢だよね」

「ゲイははずかしいことじゃない」「どんなでも受け入れる」……一人息子であるシロさんが、もう孫の顔を見せてくれることはないとわかった上で、たとえ上辺だけだとしても理解のある言い方をしてくれるということ。

それができるのはすごいことで、そんな母親にちょっとは感謝してもいいんじゃないかと終始穏やかな笑顔で語るケンジに、シロさんは返す言葉もありません。

あんかけチャーハンに鶏肉のオイスターソース炒め…こってりメニューで仲直り♡

複雑な気持ちで出勤するシロさん。「怒ってた--めずらしく真面目に怒ってたな、あれは」
仕事中もケンジの様子を思い出しながら、シロさんはケンジの実家がどこにあるかを知らないことに気づきます。

一方でケンジは、「実家に帰るようになったのは子どもが生まれてから」という店長の話を聞きながら、そもそも実家は普通行きづらいものだと知り、シロさんに強く言い過ぎたことを後悔していました。

そんなケンジを待っていたのは、あんかけチャーハンに、鶏肉のこってりオイスターソース炒めと、ケンジの好きながっつり系メニューばかりが並ぶ食卓。ケンジが落ち込んで帰ってくることを、シロさんは見越していたのです。

ケンジに「大晦日、家に帰ることにしたよ」と告げ、あんかけチャーハンをほおばりながら「やっぱ美味いな」とニッコリ笑うシロさん。ケンジもうれしそうでした。

ケンジが言ったことは決して間違いではないのですが、それでもシロさんに強く言い過ぎてしまったことをあとから反省するあたり、すごくケンジらしいなと思います。

そしてケンジが正しかったからこそ、ケンジに「謝らせなかった」シロさん。ケンジの大好きなメニューを並べて迎えるというのも、とってもシロさんらしかった!

お互いがお互いを思いやる形が、すごく素敵だなあとしみじみ感じたシーンでした。

「ちゃんと帰ってきてくれるってわかってるから」

シロさんを実家へ送り出し、ひとりきりの大晦日。ケンジは店の忘年会を1次会で抜け出して、いそいそと自宅へ向かっていました。

それもこれも、年越しそばならぬ「年越しインスタントラーメンを食べるため」。以前、店のスタッフのあいだで「インスタントラーメンは何味が好きか」という話題になった日以来、食べたくて食べたくて仕方なかったのです。

ラーメンを作っている最中、シロさんからの着信も無視するほど集中していたケンジは、年が明けてラーメンを食べ終わってからようやくシロさんからの電話に出ます。

「ひとりの年越しは寂しいだろうと思って電話してるのに」というシロさんに、「ラーメン食べてた」と正直に答えるケンジ。

するとシロさん、しばし沈黙したのち……「じゃ仕方ねえな」のひとこと!(笑)。「でしょお?」「作ったら即食べだよな」というケンジとシロさんのやり取り、なんだかんだでやっぱり息ピッタリなんですねえ。

そんなシロさんとのやり取りのあと、後片付けをしながらケンジはこんなふうにつぶやきます。

「こうして1人の年越しも寂しくないのは、シロさんがちゃんと帰ってきてくれるって、わかってるからなんだよねぇ

「帰ってよかったよ、実家」

元日の朝、実家で両親とおせちをいただくシロさん。そこへ、お隣のご家族が新年の挨拶にやってきます。そこには、シロさんの幼なじみの子どもたちが。

両親と子どもたちの交流を目にしたシロさんは、ケンジの言葉通り、両親が「孫」の代わりにお隣のお子さんを可愛がることを決めたのだと悟るのでした。

夜には大量の「つきたてのお餅」と栗きんとんをおみやげに、ケンジのもとへと帰ってきたシロさん。今すぐ消費するぞ!と焼いたお餅をケンジと食べながら、ケンジに伝えます。

「帰ってよかったよ、実家。わかったよ、いろいろ」

そんなシロさんの様子を見てホッとしたケンジ。今度はシロさんがケンジに家族のことをたずねると、ケンジは、父親とはずっと音信不通であることを打ち明けました。

しかし別に暗い話ではなく、みなテンション高めの性格で楽しく暮らしてきたし、母親は上の姉と同居していて、姉たちには子どももいるから、本当に自分は気楽なのだ、と。

それなのにシロさんを責めてしまったことを、改めて謝るケンジ。シロさんは「隣の子どもが来たときの俺の居心地の悪さを想像してみろよ~」と冗談めかして、ケンジの謝罪を受け入れるのでした。

ケンジの味噌ラーメン

ケンジが作った味噌ラーメン、かな~りゴージャスでしたね! モヤシに白菜に長ネギ、ニンジン、わかめ、豚肉、調味料はバター、味噌、みりん、鶏がらスープ、おろしニンニクをちょい足し。

ほんっとうに濃厚でおいしそうでした……。深夜の放送でこのラーメンはまさに「飯テロ」としか言いようがありません。ケンジ、なんてことしてくれるんだ~!

また、レンチンで作れる半熟たまごの作り方も目からウロコ。原作を読んで以来、いつもケンジの真似をして半熟たまごはこの作り方なのですが、あらためてドラマで見てもすごく簡単で便利です。

第6話、ついに「本物のジルベール」が登場!

そうそう、お正月にシロさんが持ち帰った「冷凍お餅」のアレンジメニューもすごかったですね!

からみ餅、お雑煮、納豆餅、磯辺焼き、餅ピザ……お餅ってこんなにアレンジできるんだなあと感心してしまいますが、とうとう「パン食させてパン!あの憎い女の店のでいいから!!」と取り乱してシロさんに懇願するケンジ(笑)。

エンディング曲が流れる中、お母さんお手製の栗きんとんを塗ったパンを2人で食べながら「おいしい、また来年も食べたいな」というケンジの気遣いと「頼んでおくよ」とほほえむシロさんの優しさがじんわりと沁みる、とても素敵な第5話でした。

次回、小日向さん(山本耕史さん)が再登場! そしてついに……ジルベールも表れます♪ シロさんは、何やらお仕事で大変そうなご様子?

さあ、待ちに待ったジルベールの姿が見られる第6話は今夜放送です。

執筆:森本マリ

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numan編集部

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