【考察1】“箱”の中で終わりなき物語を繰り返す――『おそ松さん』2期はOPが意味深!?

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『おそ松さん』は、”箱”と”宇宙”の物語

『おそ松さん』オープニングのキーワードは、ズバリ”箱”と”宇宙”。
今回の2期オープニングは、ティッシュの”箱”から飛び出した6つ子が、”宇宙”を舞台に暴れていると思ったら、実はすべてティッシュの”箱”の中の出来事だった……というストーリーを思わせるつくりになっています。

この”箱”の表現は、1期1クール目のオープニングでも使われています。サビの部分で、背景が箱の展開図のようにパタパタと開いたり閉じたりしながら、6つ子の部屋、居酒屋、銭湯、寝室へと変化していく演出です。

『おそ松さん』にとって、”箱”とはなんなのでしょうか? 6つ子といえば、ニート。ニートは、部屋という”箱”から出ることができない人たちです。
この”箱”の表現と対比するように描かれているのが”宇宙”です。宇宙のモチーフは1期1クール目のオープニングから見られましたが、特に顕著なのが2クール目。宇宙空間で6人が並んで走っていると思っていたら、実は6つ子が入っている銭湯の湯船という”箱”の中の出来事だった……という流れになっています。
このように、『おそ松さん』のオープニングには、閉じた空間である”箱”から、広大に広がる”宇宙”へのダイナミクスがあるのです。

ここで、本編を思い出してみましょう。1期は、『おそ松くん』が映るテレビという”箱”からはじまり、最終話では”宇宙”に飛ばされて終わるという、まさに”箱”から”宇宙”へのストーリーでした。
1期第1話と、2期第1話のラストでは、「こうして6つ子は、出口のない迷宮へと迷い込みました」という共通のナレーションが流れています。この「出口のない迷宮」こそ、6つ子が日々を送る”箱”の中。なんでもアリの『おそ松さん』ワールドでは、宇宙規模でいろいろなことが起こりますが、それらはすべて”箱”の中の物語であり、ニートの6つ子はそこから出ることができないのです。

今回のオープニングでは、ドット画でゲームのキャラクターのようになった6つ子が、トト子の炎に燃やされ、イヤミの歯にぶつかり、チビ太のおでん鍋に落下し、ハタ坊の三輪車に跳ねられ……と何度も”ゲームオーバー”していく様子が描かれています。しかし、1期で何度死を迎えても次の話ではケロリと生き返っていたように、6つ子はこの箱の中で終わりのない物語を繰り返しているのです。



6つ子がまさかの”努力”をしている!?

ところで、今回のオープニングの6つ子は、座禅を組んだり、道着姿で構えたり、ダンベルを上げ下げしたり、腹筋をしたり……と、まるで”努力”しているような様子が見られます。
今回の主題歌のタイトルは、『君氏危うくも近うよれ』。「賢い人は危ないところには近づかない」という意味のことわざ「君子危うきに近寄らず」を文字ったリズムのよいタイトルで、どこかコミカルな響きがあります。
『アニメージュ』2017年11月号のA応Pのインタビューでは、メンバーの一人・広瀬ゆうきさんが、作詞家のあさきさんに歌詞の意味を聞いたときのエピソードを話していました。

広瀬「大人になった6つ子が、子供だった頃の6つ子を呼んでいるらしいです。『危ないけど、成長してここにおいで』って。『オレたちダメ人間になってるけどね』って」

なんと、『君氏危うくも近うよれ』とは、大人になった『おそ松さん』から子ども時代の『おそ松くん』へのメッセージだったのです。このエピソードを心に留めながらもう一度オープニングを見てみると、大人になった6つ子たちが、『おそ松くん』時代の自分たちにカッコいいところを見せようと頑張っているようにも見えてきますね。



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