【考察3】生きている人間のように生々しい。『おそ松さん』1クール目に見る6つ子のキャラ変

1期1クール目の紹介文では、「甘え上手で、世渡りも上手なので、皆から可愛がられている」と書かれていた末弟・トド松。ところが、1期7話『トド松と5人の悪魔』にはじまり、「可愛がられる」どころか今やいちばんのイジられキャラとなってしまいました。

5話『流刑1〜3』では、女子二人とビーチを楽しむトド松を、他の5人があの手この手で島流しの刑に。7話『おそ松とトド松』では、場を取り繕おうとした苦労も報われず、本音トークで盛り上がるおそ松&女子二人に蚊帳の外に置かれてしまいます。そして13話『戦力外通告2017 —クビを宣告された末っ子—』では、6つ子のメンバーから外され、河川敷での生活を強いられるはめになりました。

一方で、そんな苦難にも負けない鋼のメンタルも遺憾なく発揮。
4話『松造と松代』では、松造を助けることを決めた際、誰にも誉められなかったので、「うん、えらいよトッティ! 素直で可愛い子、トッティ!」と自分で絶賛。7話『おそ松とトド松』でも、「今日のトッティ頑張ったよね! うん、頑張った。いい子! トッティは、トッティが大好きだよ! マジで!? ありがとう! うん、あの……まず声がいいよ!」と自分を励まします。

2話『祝・就職!!』では、他の兄弟のように松代から乳首を切り取られる前に、自ら乳首を千切りました。7話『おそ松とトド松』では、おそ松をフォローするためにチューハイと激辛ハバネロスープを一気飲み。そして13話では、自分を辛い目に遭わせた兄弟へ復讐するためにトレーニングをしていました。
ひどい目に遭いながらも、心折れることなく根性で立ち向かうトド松。立ち振る舞いはキュートですが、6人の中で最も男らしいキャラクターと言っても過言ではないかもしれません。

変化の理由は1期の後の世界だから?

1期から2期の間に発売された『おそ松さん かくれエピソードドラマCD 松野家のなんでもない感じ』について、脚本・松原秀さんは「TVシリーズは一応の完結……というか全滅?(笑)はしていると思いますので、奴らのお話を今回の企画で前に進めるのは微妙かなと。なので隠れエピソードです」(『おそま通信』24号2016年12月6日配信より)と語っていました。つまり、ドラマCDの中で描かれたエピソードは、1期の1〜25話の中の時間軸で起こった出来事だということです。
対して、【考察】“箱”の中で終わりなき物語を繰り返す――『おそ松さん』2期はOPが意味深!? で述べたように、2期は「1期の後の世界」であることがはっきりと意識されています。

これらを踏まえて2期の彼らを見てみると、シリアスな展開で視聴者を戸惑わせた1期24話『手紙』を経たからこその変化をしている部分があるようにも深読みできます。このエピソードは、チョロ松の就職が決定したことで、いつも明るいおそ松の様子が一変し、険悪な雰囲気のまま6つ子がバラバラになってしまうというものでした。
たとえば、1期に比べて、2期ではおそ松とカラ松の立場が少し変わっているように見えます。
1期では18話『逆襲のイヤミ』にて「クソ政権にピリオド」と揶揄する程度で、5人の弟たちの中の一人としておそ松を攻撃していたカラ松。ところが2期の6話『イヤミがやって来た』では、「クズでバカでどうしようもないアホ長男を抱えながら両親のいない数日間を過ごさなくてはならないという危機的状況なのだ」と、カラ松節を忘れておそ松を非難。
この回では、イヤミの振る舞いを見ながら、

おそ松「将来こんな風になるなよカラ松」
カラ松「将来こんな風になるなよおそ松」

カラ松「フッ、こんな風にはなるなよおそ松」
おそ松「なるなよカラ松」

と互いに制し合うやりとりも見られました。
これは、1期24話『手紙』で機嫌を損ね十四松に攻撃したおそ松を、カラ松が殴って制するエピソードを経て、二人の立場が以前よりフェアになったということなのかもしれません。

また、おそ松の発言「ちゃんと反省しないと、いつか一人になっちゃうぞ!」(6話『イヤミがやって来た』)、「(トド松へ)俺、お前とモメることの方が嫌」(7話『おそ松とトド松』という発言も、同様に『手紙』のエピソードを彷彿とさせます。

生きている人間のように生々しい6つ子たちの魅力

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